主人の返事を聞いたバリモアは、部屋を辞そうとしている。だが、口に出すべきことがまだあるようだ。ヘンリー卿とワトソンは、執事の次の言葉に耳を向ける。一つの用件が終わったように見えても、その場で言い出しにくかった話が、あとに残ることもある。
"You've been so kind to us, sir, that I should like to do the best I can for you in return.「旦那様は私どもに大変よくしてくださいました。そのお返しに、私もできる限りのことをしたいと存じます。
I know something, Sir Henry, and perhaps I should have said it before, but it was long after the inquest that I found it out.私には心当たりがございます、ヘンリー卿。もっと前に申し上げるべきだったのかもしれませんが、知ったのは検死審問からずっとあとのことでした。
I've never breathed a word about it yet to mortal man.このことは、これまで誰にも一言も話しておりません。
It's about poor Sir Charles's death."亡きチャールズ卿のことに関わります」
The baronet and I were both upon our feet.準男爵も私も、そろって立ち上がった。
"Do you know how he died?"「伯父がどう死んだか知っているのか」
"I know why he was at the gate at that hour.「あの時刻に、チャールズ卿が門にいた理由を知っております。
It was to meet a woman."女性と会うためでございました」