Scene 66 · Notes

解説 場面 66「聞き覚えをたどる」

この場面の解説

夫人は封鎖された書斎を掃除し、暖炉の灰から手紙の追伸を見つけた。そこには手紙を燃やし、十時に門へ来てほしいという依頼と、L・Lの署名が残っていた。

表現・文法のポイント

the back of the grate
「暖炉の炉格子の奥」。燃やした手紙の一片が残り、偶然読める状態だった場所を示す。
as you are a gentleman
「紳士であるあなたにお願いするが」。相手の良心と秘密を守る態度に訴える言い方だ。

全文の対訳

"Well?"

「それで」

"Well, sir, I thought no more of the matter, and never would have done had it not been for my wife. Only a few weeks ago she was cleaning out Sir Charles's study—it had never been touched since his death—and she found the ashes of a burned letter in the back of the grate. The greater part of it was charred to pieces, but one little slip, the end of a page, hung together, and the writing could still be read, though it was grey on a black ground. It seemed to us to be a postscript at the end of the letter and it said: 'Please, please, as you are a gentleman, burn this letter, and be at the gate by ten o clock. Beneath it were signed the initials L. L."

「そのときは何とも思いませんでしたし、妻がいなければ、その後も思い出しはしなかったでしょう。ほんの数週間前、妻がチャールズ卿の書斎を片付けました。お亡くなりになってから一度も手を付けていなかった部屋です。そして暖炉の炉格子の奥に、燃やされた手紙の灰を見つけました。大部分は黒く焼けて砕けていましたが、ページの端の小さな紙片だけは形を保ち、黒い地に灰色となっていた文字も、まだ読めました。手紙の末尾の追伸だったようで、こう書かれていました。『お願いです。紳士として、どうかこの手紙を燃やし、十時までに門へ来てください。その下にL・Lという頭文字がありました」

"Have you got that slip?"

「その紙片は持っているのか」

"No, sir, it crumbled all to bits after we moved it."

「いいえ、旦那様。動かすと、すべて粉々に崩れてしまいました」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • grate(グレイト)… (暖炉の)火格子・炉難
  • charred(チャード)… 焦げた・黒焦げの難
  • postscript(ポウストスクリプト)… 追伸
  • initials(イニシャルズ)… 頭文字・イニシャル(initial の複数形)
  • crumbled(クランブルド)… 崩れた
  • greater(グレイター)… より大きな・より強い
  • beneath(ビニース)… 〜の下に・〜の真下に
  • pieces(ピースィズ)… かけら・部分(複数)

次の場面:手紙についての問い Questions About the Letter

執事の説明を受け、ワトソンたちにはさらに尋ねたい点がある。同じ差出人から別の手紙も届いていたのか。残された話から、分かる範囲を確かめようとしている。人の記憶を頼りにする調べでは、本人がはっきり覚えていることと、推測していることが混ざりやすい。