Scene 90 · Notes

解説 場面 90「答えを待つ」

この場面の解説

ローラは行かなかった理由を私事として伏せる。ワトソンは警察を呼べば深刻な疑いを受けると警告し、初めに手紙を否定した理由を追及する。

表現・文法のポイント

cross-questioned her
「角度を変えて厳しく問いただした」。相手から質問を返されたという意味ではない。
making an absolutely clean breast
「知っていることを完全に打ち明ける」。胸をきれいにするという直訳ではなく、秘密を残さず告白する慣用表現。

全文の対訳

"What was that?"

「何が起きたのです」

"That is a private matter. I cannot tell it."

「それは私事です。お話しできません」

"You acknowledge then that you made an appointment with Sir Charles at the very hour and place at which he met his death, but you deny that you kept the appointment."

「では、チャールズ卿が亡くなったまさにその時刻と場所で会う約束をしたことは認めるが、約束の場所へは行かなかったと言うのですね」

"That is the truth."

「それが真実です」

Again and again I cross-questioned her, but I could never get past that point.

私は何度も角度を変えて問いただしたが、その先へはどうしても進めなかった。

"Mrs. Lyons," said I as I rose from this long and inconclusive interview, "you are taking a very great responsibility and putting yourself in a very false position by not making an absolutely clean breast of all that you know. If I have to call in the aid of the police you will find how seriously you are compromised. If your position is innocent, why did you in the first instance deny having written to Sir Charles upon that date?"

「ライオンズ夫人」と、長く結論の出ない面会を終えて立ち上がりながら私は言った。「知っていることを何もかも打ち明けないことで、あなたは非常に重い責任を負い、きわめて不利な立場にご自分を置いています。警察の力を借りなければならなくなれば、あなたがどれほど深刻な疑いを受けるか分かるでしょう。もし潔白なら、なぜ初めは、その日にチャールズ卿へ手紙を書いたことを否定したのですか」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • cross-questioned(クロスクウェスチョンド)… 厳しく問いただした難
  • inconclusive(インコンクルースィヴ)… 結論の出ない難
  • responsibility(リスポンスィビリティー)… 責任
  • acknowledge(アクノリッジ)… 認める
  • appointment(アポイントメント)… 面会の約束
  • compromised(コンプロマイズド)… (評判・立場を)危うくした(compromise の過去分詞)・妥協した
  • innocent(イノセント)… 罪のない・無害な・無邪気な
  • instance(インスタンス)… 最初・第一の場合・場合・例

次の場面:手紙を残すこと Keeping a Letter

手紙の書き方と、その後の扱いについて質問が続く。ライオンズ夫人は、どこまで自分の事情を話すのだろうか。ワトソンは、答えにくい点を一つずつ確かめようとしている。人の名誉や暮らしに関わる話だけに、相手のためらいにも注意して、会話を進める必要がある。