Scene 95 · Notes

解説 場面 95「道端の呼び声」

この場面の解説

帰路、上機嫌のフランクランドがワトソンを呼び止め、祝杯へ誘う。娘への仕打ちに反感はあったが、馬車を帰す機会として招きに応じる。

表現・文法のポイント

the messenger of good fortune
「幸運の使者」。本人が使者として派遣されたのではなく、思いがけない手がかりをもたらす人物という比喩。
in time for dinner
「夕食に間に合うように」。夕食の時間そのものではなく、それまでに館へ戻る予定を表す。

全文の対訳

Luck had been against us again and again in this inquiry, but now at last it came to my aid. And the messenger of good fortune was none other than Mr. Frankland, who was standing, grey-whiskered and red-faced, outside the gate of his garden, which opened on to the highroad along which I travelled.

この調査では何度も運に見放されたが、ついに今度は運が味方した。幸運の使者はほかでもないフランクランド氏だった。灰色のほおひげを生やし、赤ら顔の彼は、私が通る街道に面した庭の門の外に立っていた。

"Good-day, Dr. Watson," cried he with unwonted good humour, "you must really give your horses a rest and come in to have a glass of wine and to congratulate me."

「こんにちは、ワトソン先生」と、彼は珍しく上機嫌に叫んだ。「ぜひ馬を休ませて、中で一杯やりながら私を祝ってください」

My feelings towards him were very far from being friendly after what I had heard of his treatment of his daughter, but I was anxious to send Perkins and the wagonette home, and the opportunity was a good one. I alighted and sent a message to Sir Henry that I should walk over in time for dinner. Then I followed Frankland into his dining-room.

娘への仕打ちを聞いたあとでは、彼に友好的な気持ちなどほとんどなかった。しかしパーキンズと四輪馬車を帰したいと思っていたので、ちょうどよい機会だった。私は馬車を降り、夕食までには歩いて戻るとヘンリー卿へ伝言を頼んだ。それからフランクランドについて食堂へ入った。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • grey-whiskered(グレイウィスカード)… 灰色のほおひげを生やした難
  • good-day(グッドデイ)… こんにちは・さようなら・こんにちは(古風なあいさつ)難
  • unwonted(アンウォンティッド)… 珍しい・いつにない難
  • congratulate(コングラチュレイト)… 祝う・お祝いを言う
  • dining-room(ダイニングルーム)… 食堂
  • messenger(メスィンジャー)… 使者・伝言を運ぶ人
  • red-faced(レッドフェイスト)… 赤ら顔の・顔を赤くした
  • wagonette(ワガネット)… ワゴネット・向かい合う座席のある馬車

次の場面:老人の話を聞く Listening to Frankland

フランクランド老人は機嫌よく、ワトソンへ自分の話を聞かせようとしている。訪問者には別の調査があるが、まずは相手の言葉を聞く。食堂での会話が始まるところだ。町での訪問を終えてきたばかりのワトソンは、館へ戻る前に、老人の招きに応じて席に着いている。