Scene 98 · Notes

解説 場面 98「さらに続く自慢話」

この場面の解説

フランクランドは、警察が知りたがる情報を握っているが協力しないとほのめかす。ワトソンは関心を隠して密猟の話かと装い、老人から脱獄囚の話を引き出す。

表現・文法のポイント

casting round for some excuse
「何か口実を探し回る」。物を投げるのではなく、逃げる理由を頭の中で探していたこと。
contrary nature
「ひねくれた性質」。相手が強く望むことに反対したがるため、無関心を装う方が話を聞き出せる。

全文の対訳

"How so?" I asked.

「どうしてです」と私は尋ねた。

The old man put on a very knowing expression. "Because I could tell them what they are dying to know; but nothing would induce me to help the rascals in any way."

老人は、ひどく訳知り顔をした。「警察が喉から手が出るほど知りたがっていることを、私は教えられるからです。しかし、どんなことがあろうと、あの悪党どもに手を貸す気はありません」

I had been casting round for some excuse by which I could get away from his gossip, but now I began to wish to hear more of it. I had seen enough of the contrary nature of the old sinner to understand that any strong sign of interest would be the surest way to stop his confidences.

私は先ほどまで、彼のおしゃべりから逃れる口実を探していた。だが今は、もっと聞きたくなってきた。この年老いた罪人のひねくれた性質は十分に見ていたので、強い興味を示すことこそ、打ち明け話を止める最も確実な方法だと分かっていた。

"Some poaching case, no doubt?" said I with an indifferent manner.

「密猟事件か何かでしょう」と、私は無関心を装って言った。

"Ha, ha, my boy, a very much more important matter than that! What about the convict on the moor?"

「はっはっ、きみ、それよりずっと重大なことです。荒れ地の脱獄囚のことですよ」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • induce(インデュース)… (人を)〜する気にさせる・引き起こす難
  • confidences(コンフィデンシズ)… 打ち明け話(confidenceの複数)難
  • indifferent(インディファラント)… 無関心な・冷淡な
  • expression(イクスプレッション)… 表情・表現
  • contrary(コントラリー)… 反対・逆。on the contrary で「それどころか」
  • poaching(ポウチング)… 密猟
  • rascals(ラースカルズ)… 悪党(rascalの複数)
  • casting(キャスティング)… 投げること・探し回ること

次の場面:老人の見たもの What the Old Man Saw

フランクランド老人の口から、荒れ地の囚人についての話が出る。ワトソンにとって聞き流せない話題だ。相手が何を知っているのか、表情を抑えて確かめようとしている。聞き手にとって思いがけない話題でも、話す老人には、自分なりに確信している事情があるらしい。