Scene 24 · Notes

解説 場面 24「部屋を出るな」

この場面の解説

条件は、勤務中ずっと事務所か建物の中にいることで、出れば職を永久に失う。ウィルソンは出ていくつもりはないと答えるが、ロスはどんな理由も通らないと重ねて言い、ウィルソンは仕事の中身を尋ねる。

表現・文法のポイント

you forfeit your whole position forever
forfeit は「(違反の罰として)失う、没収される」。法律や契約で使う硬い語で、遺言の条件を説明する場面にふさわしい。whole position は「その地位のすべて」で、一度でも破れば取り返しがつかないことを強調している。
You don't comply with the conditions if you budge from the office
comply with ~ は「(規則・条件に)従う」。budge は「ちょっと動く」で、主に否定文や条件文で使い、「一歩でも動けば」という感じを出す。if 以下が条件で、「少しでも離れたら条件を守ったことにならない」という意味。
No excuse will avail
avail は「役に立つ、効き目がある」という硬い語で、「どんな言いわけも通用しない」。続く neither A nor B nor C は「A も B も C も~ない」で、病気・商売・その他と三つを並べて例外のなさを強調している。
There you must stay, or you lose your billet.
There を前に出して「そこにこそいなければならない」と強めた倒置。命令や義務の文の後ろに or を置くと「さもないと…」の意味になる。billet は「勤め口、職」の古風な言い方で、もとは兵士の宿舎を指した。

全文の対訳

"'Well, you have to be in the office, or at least in the building, the whole time. If you leave, you forfeit your whole position forever. The will is very clear upon that point. You don't comply with the conditions if you budge from the office during that time.'

「『つまり、勤務時間中はずっと事務所に、少なくともこの建物の中にいなければならないのです。出ていけば、その地位は永久に失われます。その点について、遺言はきわめてはっきりしておりましてな。その時間に少しでも事務所から動けば、条件を守ったことにはなりません』

"'It's only four hours a day, and I should not think of leaving,' said I.

「『一日たった四時間ですから、出ていこうなんて考えもしませんよ』と私は言いました。

"'No excuse will avail,' said Mr. Duncan Ross; 'neither sickness nor business nor anything else. There you must stay, or you lose your billet.'

「『どんな言いわけも通りませんぞ』とダンカン・ロスさんは言いました。『病気だろうと、商売だろうと、ほかの何であろうとです。必ずそこにいていただく、さもなければ職を失います』

"'And the work?'

「『それで、仕事のほうは?』

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • forfeit(フォーフィット)… (違反の罰として)失う・没収される難
  • comply(コンプライ)… (規則・条件に)従う(comply with)難
  • budge(バッジ)… ちょっと動く・身動きする難
  • avail(アヴェイル)… 役に立つ・効き目がある難
  • billet(ビレット)… 勤め口・職(古風)・(兵士の)宿舎難
  • conditions(コンディションズ)… 条件・状況(condition の複数形)
  • sickness(スィックネス)… 病気
  • neither(ナイザー)… どちらも〜ない

次の場面:百科事典の写し Copy the Encyclopaedia

肝心の仕事は、ブリタニカ百科事典を書き写すことだ。インクやペン、吸い取り紙は自分持ちで、机と椅子は組合が用意するという。明日から来られると答えたウィルソンは、ロスに改めて祝いの言葉をかけられて送り出される。思いがけない幸運に、帰り道は何を言えばいいかもわからないほどだ。