パイプ三服ぶんのあいだ黙って考え込んでいたホームズは、急に跳び起きると、午後にセント・ジェイムズ・ホールで開かれるサラサーテの演奏会にワトソンを誘う。患者は大丈夫かと聞かれたワトソンは、今日は用事がないと答える。ホームズはさっそく出かける支度を促す。
"I have nothing to do to-day.「今日は何も用事がないよ。
My practice is never very absorbing."私の診療所は、手が離せないほど忙しくなることなんてないからね」
"Then put on your hat and come.「それなら帽子をかぶって、一緒に来たまえ。
I am going through the City first, and we can have some lunch on the way.まずシティを通っていくから、途中で昼食をとろう。
I observe that there is a good deal of German music on the programme, which is rather more to my taste than Italian or French.プログラムを見ると、ドイツの曲がたっぷり入っていて、こちらのほうがイタリアやフランスの曲よりも私の好みに合うのだ。
It is introspective, and I want to introspect.ドイツ音楽は内省的だし、私はいま内省したい気分なのさ。
Come along!"さあ、行こう!」