Scene 02 · Notes

解説 場面 2「突然の訪問」

この場面の解説

訪れた女性は泣きながらワトソンの妻に抱きつく。ベールを上げると旧友ケイトだと分かり、彼女はどうしてよいか分からず訪ねたと訴える。

表現・文法のポイント

losing her self-control
自分を抑えられなくなることを表す。ここでは、挨拶を始めた女性が突然感情をこらえられなくなり、妻へ駆け寄る流れを説明する。losingの主体は直前のsheであり、語り手のワトソンではない。
like birds to a lighthouse
悩みを抱えた人が妻のもとへ来ることを、灯台へ向かう鳥にたとえている。妻が相談を受ける人柄であることを、ワトソンが地の文で述べる箇所である。実際の鳥や灯台が家の近くにあるという描写ではない。

全文の対訳

We heard the door open, a few hurried words, and then quick steps upon the linoleum. Our own door flew open, and a lady, clad in some dark-coloured stuff, with a black veil, entered the room.

玄関の戸が開き、慌ただしい言葉が二言三言聞こえ、続いてリノリウムの上を急ぐ足音がした。居間の戸が勢いよく開き、暗い色の服に黒いベールを着けた女性が入ってきた。

"You will excuse my calling so late," she began, and then, suddenly losing her self-control, she ran forward, threw her arms about my wife's neck, and sobbed upon her shoulder. "Oh, I'm in such trouble!" she cried; "I do so want a little help."

「こんなに遅くに伺ってごめんなさい」と話し始めたかと思うと、突然こらえきれなくなり、駆け寄って妻の首に両腕を回し、その肩で泣きじゃくった。「ああ、困り果てているの」と彼女は叫んだ。「どうしても少し助けていただきたくて」

"Why," said my wife, pulling up her veil, "it is Kate Whitney. How you startled me, Kate! I had not an idea who you were when you came in."

「まあ」と妻はベールを上げながら言った。「ケイト・ホイットニーじゃない。びっくりしたわ、ケイト。入ってきたときは誰だか全然分からなかったの」

"I didn't know what to do, so I came straight to you." That was always the way. Folk who were in grief came to my wife like birds to a lighthouse.

「どうすればいいか分からなくて、まっすぐあなたの所へ来たの」いつもそうだった。悲しむ人々は、灯台へ向かう鳥のように妻のもとへ集まってきた。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • clad(クラッド)… 身にまとった(古風・文語)難
  • dark-coloured(ダークカラード)… 暗い色の
  • self-control(セルフコントロウル)… 自制心
  • lighthouse(ライトハウス)… 灯台
  • linoleum(リノウリアム)… リノリウムの床材
  • startled(スタートゥルド)… 驚かせた・驚いた・びっくりした
  • hurried(ハリッド)… 慌ただしい・急いだ・急いで行った・急いだ
  • sobbed(ソブド)… すすり泣いた

次の場面:友人の相談 A Friend's Trouble

突然訪れた女性は、妻の古くからの友人ケイト・ホイットニーだった。ケイトは妻の肩に顔を寄せ、どうしてよいか分からずここへ来たと訴える。妻はまず彼女を落ち着かせようとしている。ワトソンも同じ部屋におり、夜更けの相談の内容を聞こうとしている。