Scene 04 · Notes

解説 場面 4「夫の行き先」

この場面の解説

ケイトは夫が川沿いの「金の棒」にいると確信している。これまでは一日で帰ったが今回は二日たっており、自分では迎えに行けないと困っている。

表現・文法のポイント

Hitherto
それまで、これまでという時間の区切りを表す副詞。ここでは、今回とは違って以前の外出は一日以内だったという対比を導く。続くBut nowとの関係で、帰らない期間が長くなった不安が分かる。
How could she
実行方法を教えてほしいという単純な質問ではなく、彼女にそんなことはできないという困難さを示す問いである。若く気の弱い女性が危険な店へ入る状況を、ワトソンの地の文から捉えている。

全文の対訳

It seems that it was. She had the surest information that of late he had, when the fit was on him, made use of an opium den in the farthest east of the City. Hitherto his orgies had always been confined to one day, and he had come back, twitching and shattered, in the evening. But now the spell had been upon him eight-and-forty hours, and he lay there, doubtless among the dregs of the docks, breathing in the poison or sleeping off the effects. There he was to be found, she was sure of it, at the Bar of Gold, in Upper Swandam Lane. But what was she to do? How could she, a young and timid woman, make her way into such a place and pluck her husband out from among the ruffians who surrounded him?

それはできそうだった。最近、夫は発作的にアヘンを欲すると、シティの東の端にあるアヘン窟へ行くという確かな情報を、彼女は得ていた。これまではどれほどふけっても一日限りで、夕方には震えながらぼろぼろの状態で戻ってきていた。だが今度は四十八時間も薬物に取りつかれたままで、おそらく波止場のならず者たちに交じって横たわり、毒を吸うか、その効き目が抜けるまで眠るかしているのだ。アッパー・スワンダム横丁の「金の棒」に行けば必ずいると、彼女は確信していた。しかし、自分に何ができるというのか。若く気の弱い女性に、どうしてそんな場所へ乗り込み、ならず者に囲まれた夫を引き出すことができるだろう。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • eight-and-forty(エイトアンドフォーティー)… 四十八(古い言い方)
  • surrounded(サラウンディッド)… 取り巻かれた・囲まれた(surround の過去分詞)
  • twitching(トゥウィッチング)… ぴくぴく動く・けいれんする
  • shattered(シャタード)… ひどく損なわれた・打ち砕かれた
  • doubtless(ダウトレス)… おそらく・間違いなく
  • breathing(ブリーズィング)… 息をしている・呼吸
  • farthest(ファーゼスト)… 最も遠い
  • hitherto(ヒザトゥー)… それまで・これまで

次の場面:夜の約束 An Errand Eastward

ケイトは、夫が川沿いのアヘン窟にいると考えている。これまでより長く帰らないため、彼女は不安を募らせているが、一人でその場所へ迎えに行くこともできない。話を聞いたワトソンは、医師であり知人でもある自分に何ができるか、その場で考えている。