Scene 05 · Notes

解説 場面 5「夜の約束」

この場面の解説

ワトソンはケイトを同行させるより、自分一人で迎えに行く方がよいと考える。夫を二時間以内に送り帰すと約束し、東へ馬車を走らせる。

表現・文法のポイント

why should she come at all?
考え直したワトソンが、そもそも彼女が来る必要はないと判断する修辞的な問い。at allが必要性そのものを問い直す。主治医の自分なら一人でも相手を説得できる、という次の説明につながっている。
on my word
言葉を保証として、固く約束してという意味のまとまり。ワトソンは、夫が教えられた場所にいる場合には二時間以内に家へ送ると約束する。後ろのifの条件を省いて、必ず見つかると断言した訳にはしない。

全文の対訳

There was the case, and of course there was but one way out of it. Might I not escort her to this place? And then, as a second thought, why should she come at all? I was Isa Whitney's medical adviser, and as such I had influence over him. I could manage it better if I were alone. I promised her on my word that I would send him home in a cab within two hours if he were indeed at the address which she had given me. And so in ten minutes I had left my armchair and cheery sitting-room behind me, and was speeding eastward in a hansom on a strange errand, as it seemed to me at the time, though the future only could show how strange it was to be.

事情はそういうことで、取るべき道はもちろん一つしかなかった。私が彼女をそこへ連れていけばよいのではないか。いや、考えてみれば、そもそも彼女が行く必要などあるだろうか。私はアイザ・ホイットニーの主治医なのだから、彼も私の言うことなら聞くだろう。一人で行く方がうまく運べるはずだった。教えられた住所に本当にいるのなら、二時間以内に馬車で家へ送り届けると、私は固く約束した。こうして十分後には、私は肘掛け椅子と明るい居間を後にし、ハンサム馬車で東へ急いでいた。そのときも奇妙な使いだと思ったが、どれほど奇妙なものになるかは、その後にならなければ分からなかった。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • hansom(ハンサム)… ハンサム馬車(一頭立て二輪の辻馬車)難
  • influence(インフルエンス)… 影響・影響力
  • promised(プロミスト)… 約束した
  • speeding(スピーディング)… 急いで進む・疾走する
  • eastward(イーストワード)… 東へ・東向きに
  • medical(メディカル)… 医療の・医師としての・医学の・医療の
  • adviser(アドヴァイザー)… 助言者
  • escort(エスコート)… 付き添う・護送する

次の場面:川沿いの路地 The Riverside Lane

ホイットニーを見つけたら馬車で家へ送ると約束し、ワトソンは自宅を出る。行き先はロンドン橋より東、川の北岸にあるアッパー・スワンダム横丁だ。ケイトから聞いた店を探し、夜の町へ向かっている。妻の友人を助けるための、いつもとは違う外出である。