Scene 35 · Notes

解説 場面 35「卓上の封筒」

この場面の解説

ホームズとワトソンは封筒を調べる。宛名は夫の字ではなく、ホームズは書いた人物が住所を途中で尋ねたと読み取る。

表現・文法のポイント

or rather
先の言い方を言い直し、というより正確にはと補う表現。消印の日付を今日と述べかけるが、すでに深夜を過ぎたので昨日になると訂正する。別の日付の消印を二つ見つけたという意味ではない。
had to go and inquire
行って尋ねる必要があったという、過去の必要を表す。宛名を書いた人が住所を知らなかったとホームズは推論している。後の場面で根拠を説明するため、ここでそれが目撃情報だったと解釈しない。

全文の対訳

He snatched it from her in his eagerness, and smoothing it out upon the table he drew over the lamp and examined it intently. I had left my chair and was gazing at it over his shoulder. The envelope was a very coarse one and was stamped with the Gravesend postmark and with the date of that very day, or rather of the day before, for it was considerably after midnight.

彼は待ちきれずに紙を受け取り、卓上で広げて灯りを引き寄せ、熱心に調べた。私も椅子を離れ、彼の肩越しにのぞき込んでいた。封筒はひどく粗末で、グレーヴズエンドの消印と、その日の、いや、とうに真夜中を過ぎていたので、前日の日付が押してあった。

"Coarse writing," murmured Holmes. "Surely this is not your husband's writing, madam."

「粗雑な字だ」とホームズはつぶやいた。「これはご主人の字ではありませんね、奥様」

"No, but the enclosure is."

「ええ。でも、中の手紙は主人の字です」

"I perceive also that whoever addressed the envelope had to go and inquire as to the address."

「宛名を書いた人は、途中で住所を聞きに行かなければならなかったことも分かります」

"How can you tell that?"

「どうして分かるのですか」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • enclosure(エンクロウジャー)… 同封物・囲い地・囲まれた場所難
  • considerably(コンスィダラブリー)… かなり・相当に
  • eagerness(イーガナス)… 待ちかねる気持ち・熱意
  • smoothing(スムーズィング)… しわを伸ばす・なめらかにする
  • addressed(アドレスト)… 宛名を書いた・宛てた
  • snatched(スナッチト)… ひったくった・素早く取った
  • examined(イグザミンド)… 調べた・診察した
  • intently(インテントリー)… 熱心に・じっと

次の場面:文字をたどる Looking at the Writing

封筒にはグレーヴズエンドの消印があり、日付は届いた当日を示している。ホームズは紙と筆跡を調べ、宛名を書いた人物について一つの指摘をする。夫人は、なぜそう分かるのかと尋ねる。中の文章を読む前に、まずは封筒に残る違いへ目を向けている。