Scene 52 · Notes

解説 場面 52「話すための席」

この場面の解説

ホームズは警察へ事情を説明すれば、裁判や新聞への掲載を避けられる可能性があると話す。セントクレア氏は家族に秘密を残したくなかったと訴える。

表現・文法のポイント

On the other hand
一方で、という別の見方や選択肢を示す接続。裁判で明らかにすれば人に知られるという話に対し、警察へ十分説明する道を挙げる。物理的に反対側の手を動かす描写ではない。
rather than have left
〜を残すよりは、という比較で、前のwould have enduredと組み合わされる。氏は子供に家の汚点を残すくらいなら拘束や処罰にも耐えたかったと語る。実際にその処罰を受けたという意味ではない。

全文の対訳

"If you leave it to a court of law to clear the matter up," said he, "of course you can hardly avoid publicity. On the other hand, if you convince the police authorities that there is no possible case against you, I do not know that there is any reason that the details should find their way into the papers. Inspector Bradstreet would, I am sure, make notes upon anything which you might tell us and submit it to the proper authorities. The case would then never go into court at all."

「裁判所に真相を明らかにしてもらおうとすれば」と彼は言った。「もちろん世間に知られることは、まず避けられません。一方で、あなたを訴える理由がまったくないと警察を納得させられれば、詳しい事情が新聞に出る理由もないでしょう。ブラッドストリート警部なら、お話を記録し、しかるべき当局へ提出してくれると思います。そうすれば、裁判になること自体がなくなるでしょう」

"God bless you!" cried the prisoner passionately. "I would have endured imprisonment, ay, even execution, rather than have left my miserable secret as a family blot to my children.

「ありがたいことです」と囚人は熱を込めて叫んだ。「子供たちに家の汚点としてこの惨めな秘密を残すくらいなら、投獄も、いえ、死刑さえ耐えるつもりでした。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • imprisonment(インプリズンメント)… 投獄・禁固難
  • passionately(パショナットリー)… 熱を込めて・激しく
  • authorities(オーソリティーズ)… 当局・権限を持つ人々
  • publicity(パブリスィティー)… 世間に知られること・宣伝
  • inspector(インスペクター)… 警察の捜査官・警部・警部・検査官
  • execution(エクスィキューション)… 死刑の執行・実行
  • miserable(ミズラブル)… みじめな・不快な
  • convince(コンヴィンス)… 納得させる・確信させる

次の場面:これまでの歩み The Beginning of the Story

ホームズは、事情を裁判で明らかにする以外にも道があるかもしれないと伝える。そのためには、何があったのかを警察へ説明する必要がある。子供たちへの影響を恐れていたセントクレア氏は、その申し出を聞く。これまで語られなかった経緯を話す場が整いつつある。