Scene 32 · Notes

解説 場面 32「夜更けの対話」

この場面の解説

ホームズは、被害者には息子以外との約束があり、息子の帰宅を知らずに呼び声を上げたという二点を重視する。そのあとはジョージ・メレディスの話をしようと提案し、細かなことは翌日に回す。

表現・文法のポイント

the someone could not have been his son
could not have+過去分詞は、過去の事実について「〜だったはずがない」と判断する形。ここでは、約束した誰かが息子である可能性を否定している。父が息子の帰宅時刻を知らなかったことを理由に挙げる。
upon which the case depends
depend uponは「〜に懸かっている、〜次第である」。whichは前のpointsを受け、前置詞uponを伴っている。ホームズは、この二点を解明することが、事件を考えるうえで決定的だと述べている。

全文の対訳

"But if he is innocent, who has done it?"

「だが、彼が無実なら、誰がやったんだい」

"Ah! who? I would call your attention very particularly to two points. One is that the murdered man had an appointment with someone at the pool, and that the someone could not have been his son, for his son was away, and he did not know when he would return. The second is that the murdered man was heard to cry 'Cooee!' before he knew that his son had returned. Those are the crucial points upon which the case depends. And now let us talk about George Meredith, if you please, and we shall leave all minor matters until to-morrow."

「ああ、誰なのか。特に、二つの点にきみの注意を向けたい。一つは、殺された男が池で誰かと会う約束をしており、その相手が息子であるはずはなかったことだ。息子は留守で、いつ戻るのか、父親は知らなかったからだ。二つ目は、息子が帰ってきたと知る前に、殺された男が『クーイー』と叫ぶのを聞かれていることだ。事件の行方が懸かっているのは、この決定的な二点なのだ。さて、よければ今度はジョージ・メレディスの話をしよう。細かいことは、すべて明日までお預けだ」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • cooee(クーイー)… 遠くの相手を呼ぶ声・クーイー難
  • particularly(パティキュラリー)… とりわけ
  • appointment(アポイントメント)… 面会の約束
  • innocent(イノセント)… 罪のない・無害な・無邪気な
  • murdered(マーダード)… 殺された・殺した
  • crucial(クルーシャル)… 決定的な・極めて重要な
  • minor(マイナー)… 小さな・重要度の低い
  • upon(アポン)… 〜の上に・〜の状態や関係で(upon termsで、〜の間柄で)・(effect uponで)〜に対する・〜への・(work uponで)〜を研究・実験して・〜の上に(on のやや改まった形)

次は第 3 章「池への道」

晴れた翌朝、ホームズたちは馬車で農場へ向かう。事件の関係者について話すうちに、見慣れた事実にも問いが生まれる。農場から池へ続く道、木立に挟まれた湿った地面。ホームズは現場に足を踏み入れ、残されたものを自分の目で確かめていく。