Scene 43 · Notes

解説 場面 43「別れ際の会話」

この場面の解説

レストレードは、ホームズの挙げた特徴だけで人を探すのは実際的ではないと言う。ホームズはそれ以上説得せず、別れ際に、発つ前に手紙を出すと約束する。

表現・文法のポイント

a game leg
gameはここでは遊びや獲物ではなく、脚が悪いことを表す古い形容詞。レストレードは、左利きで脚の悪い男という特徴だけを頼りに地方を歩いて探すのは、実際的ではないという不満を述べている。
drop you a line
drop someone a lineは、「人に短い手紙を送る、一筆知らせる」という慣用的な言い方。線を落とすことではない。ホームズは別れ際に、ロンドンへ発つ前にレストレードへ連絡すると約束している。

全文の対訳

"Who was the criminal, then?"

「では、犯人は誰だったのだね」

"The gentleman I describe."

「私が説明したあの男だよ」

"But who is he?"

「しかし、その男は誰なのかね」

"Surely it would not be difficult to find out. This is not such a populous neighbourhood."

「見つけ出すのは、そう難しくないはずだ。この辺りは、それほど人が多いわけではないのだから」

Lestrade shrugged his shoulders. "I am a practical man," he said, "and I really cannot undertake to go about the country looking for a left-handed gentleman with a game leg. I should become the laughing-stock of Scotland Yard."

レストレードは肩をすくめた。「私は実際的な人間だ」と彼は言った。「脚の悪い左利きの男を探して田舎を歩き回るなど、とても引き受けられない。スコットランド・ヤードの笑いものになってしまうよ」

"All right," said Holmes quietly. "I have given you the chance. Here are your lodgings. Good-bye. I shall drop you a line before I leave."

「いいとも」とホームズは静かに言った。「機会は与えたからね。ここがきみの下宿だ。それでは、さようなら。私が発つ前に、一筆知らせよう」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • populous(ポピュラス)… 人の多い・人口の多い難
  • laughing-stock(ラーフィングストック)… 笑いもの難
  • neighbourhood(ネイバーフッド)… 近所・地域・近隣の人々
  • practical(プラクティカル)… 実際的な・実際の
  • undertake(アンダーテイク)… 引き受ける・着手する
  • criminal(クリミナル)… 犯罪者・犯人・犯罪の・犯罪者
  • describe(ディスクライブ)… 描写する・説明する
  • shrugged(シュラッグド)… (肩を)すくめた

次の場面:昼食後の相談 A Conversation After Lunch

宿に戻ったホームズとワトソンの前には、昼食が用意されている。食卓が片づくと、ホームズは友人に椅子を勧め、助言を求めたいと言う。ここからは二人で、青年の説明をあらためて考えることになる。話の出発点となるのは、新聞で読んだ証言だ。