Scene 51 · Notes

解説 場面 51「客間の会話」

この場面の解説

ホームズは、屋敷へ行けば噂になるため、手紙でターナーを宿へ呼んだのだと説明する。マッカーシーのことはすべて分かっていると告げると、老人は、若者が裁判で不利になれば自ら話すつもりだったと答える。

表現・文法のポイント

answering the look rather than the words
rather thanは「〜というよりも」。ホームズは、問いの言葉そのものより、相手のまなざしが示す内容に答えている。直前に、来客はすでに答えを知っているような目をしたと、ワトソンが描写している。
I give you my word
自分の言葉を相手に与えるという字面から、確かに約束する、誓うという意味になる。ここではターナーが、若者に不利な判決が出そうになれば、自分から事情を打ち明けたはずだと、強く保証している。

全文の対訳

"Yes, the lodge-keeper brought it up. You said that you wished to see me here to avoid scandal."

「ええ、門番が届けてくれました。醜聞を避けるため、ここで私に会いたいと書いてありましたね」

"I thought people would talk if I went to the Hall."

「私が屋敷へ行けば、人が何か言うでしょうから」

"And why did you wish to see me?" He looked across at my companion with despair in his weary eyes, as though his question was already answered.

「それで、なぜ私にお会いになりたいのですか」彼は、疲れた目に絶望を浮かべ、もう答えが出ているかのように、私の友人を見た。

"Yes," said Holmes, answering the look rather than the words. "It is so. I know all about McCarthy."

「ええ」とホームズは、言葉というよりそのまなざしに答えて言った。「そのとおりです。マッカーシーのことは、すべて分かっています」

The old man sank his face in his hands. "God help me!" he cried. "But I would not have let the young man come to harm. I give you my word that I would have spoken out if it went against him at the Assizes."

老人は両手に顔を埋めた。「神よ、お助けください」と彼は叫んだ。「でも、あの若者がひどい目に遭うのを、そのままにしておくつもりはありませんでした。巡回裁判であの子に不利なことになれば、私から打ち明けたはずだと、お約束します」

"I am glad to hear you say so," said Holmes gravely.

「そう伺って、うれしく思います」とホームズは重々しく言った。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • lodge-keeper(ロッジキーパー)… 門番・門番小屋の管理人難
  • assizes(アサイズィズ)… 巡回裁判(昔のイギリスで地方を回って開かれた裁判)難
  • companion(カンパニオン)… 仲間・相棒
  • scandal(スキャンダル)… 醜聞・不祥事
  • despair(ディスペア)… 絶望・落胆(in despair で「絶望して」)
  • gravely(グレイヴリー)… 重々しく・まじめに・深刻に
  • rather(ラーザー)… かなり・(言い直して)むしろ・いや
  • weary(ウィアリー)… 疲れきった・くたびれた

次の場面:それぞれの立場 Their Positions

宿の会話は、これからどのようなことが起こり得るのかという問いへ進む。ホームズは、自分がここへ来た立場を説明する。来客も自らの事情を語り、二人は、まず何を考えるべきかを話し合う。ワトソンは黙って、二人のやり取りに耳を傾けている。