Scene 57 · Notes

解説 場面 57「対話の続き」

この場面の解説

マッカーシーは、息子をアリスと結婚させ、ターナーの全財産を継がせることを狙っていた。ターナーは若者自身を嫌ってはいなかったが、その血筋との結び付きを拒み、脅しにも譲らず、池で話し合う約束をしたという。

表現・文法のポイント

not that I had any dislike to the lad
not thatは、直前の説明から生じかねない誤解を打ち消し、「若者を嫌っていたというわけではない」と補う表現。ターナーは結婚を拒んだ理由を息子本人への嫌悪とせず、父親から受け継いだ血に結び付けて語る。
I braved him to do his worst
braveはここでは形容詞でなく動詞で、恐れずに向かい合う、あえて相手にさせるという意味。do his worstは、相手ができる最悪のことをすること。ターナーが脅しに屈せず、やれるものならやってみろと対した場面である。

全文の対訳

"His son, you see, had grown up, and so had my girl, and as I was known to be in weak health, it seemed a fine stroke to him that his lad should step into the whole property. But there I was firm. I would not have his cursed stock mixed with mine; not that I had any dislike to the lad, but his blood was in him, and that was enough. I stood firm. McCarthy threatened. I braved him to do his worst. We were to meet at the pool midway between our houses to talk it over.

「お分かりのように、あの男の息子も私の娘も大人になっていましたし、私の体が弱いことも知られていました。息子が全財産を継げば、実にうまい手だと、あの男は考えたのでしょう。ですが、そこは譲りませんでした。あの忌まわしい血筋を、私の血筋に混ぜさせるつもりはありませんでした。若者を嫌っていたわけではありません。ただ、あの男の血が流れている。それだけで十分だったのです。私は断固として譲りませんでした。マッカーシーは脅しました。私は、できるだけのことをしてみろと、ひるまず向かい合いました。それについて話し合うため、二人の家の中間にある池で会うことになったのです。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • stroke(ストロウク)… 巧みな一手・うまい策・(時計の)打つ音・ちょうどその時刻・一撃・脳卒中難
  • cursed(カースィッド)… 忌まわしい・呪われた難
  • threatened(スレトゥンド)… (〜する)おそれがあった・脅した
  • property(プロパティー)… 所有物・財産・特性
  • dislike(ディスライク)… 嫌悪・嫌うこと・嫌う
  • braved(ブレイヴド)… (braved ... toで)〜してみろと挑んだ・恐れず立ち向かった・敢行した
  • midway(ミッドウェイ)… 中間の・途中の
  • grown(グロウン)… 大人の・成長した(grown men で「大人の男」)

次の場面:終わり近く Near the End

客間の話は、いよいよ終わりに近づく。ホームズは卓の前で話を聞き、ワトソンもその言葉を一つずつ追う。来客の説明は途切れずに続き、二人は経緯を順に確かめようとする。長く続いた話は、どこで終わりを迎えるのか。