Scene 35 · Notes

解説 場面 35「引き出しの中」

この場面の解説

自室の鍵のかかった引き出しを偶然開けたハンターは、中に自分と同じ色と量の髪の束を見つける。自分の髪は旅行かばんにしまったはずであり、奇妙な一致に直面する。

表現・文法のポイント

pack away
「物をしまい込む」。使える引き出しが足りないという日常的な不満が、秘密の発見につながる。
The very first key
veryは「まさに」。鍵束の最初の一本が偶然ぴったり合ったことを強調している。

全文の対訳

"And now I have a very strange experience to tell you. I had, as you know, cut off my hair in London, and I had placed it in a great coil at the bottom of my trunk. One evening, after the child was in bed, I began to amuse myself by examining the furniture of my room and by rearranging my own little things. There was an old chest of drawers in the room, the two upper ones empty and open, the lower one locked. I had filled the first two with my linen, and as I had still much to pack away I was naturally annoyed at not having the use of the third drawer. It struck me that it might have been fastened by a mere oversight, so I took out my bunch of keys and tried to open it. The very first key fitted to perfection, and I drew the drawer open. There was only one thing in it, but I am sure that you would never guess what it was. It was my coil of hair.

「そして今度は、とても奇妙な体験をお話しします。ご存じのとおり、私はロンドンで髪を切り、その髪を大きな束にして旅行かばんの底へ入れておきました。ある晩、子供を寝かせたあと、部屋の家具を調べたり、自分のわずかな持ち物を並べ直したりして過ごしていました。部屋には古いたんすがあり、上の二段は空で開いていましたが、いちばん下の段には鍵がかかっていました。上の二段には肌着や布類をしまいましたが、まだ片づける物が多かったので、三段目を使えないことが当然ながら不満でした。単なる手違いで鍵がかかったままなのかもしれないと思い、鍵束を取り出して開けてみました。最初の鍵がぴったり合い、引き出しを開けることができました。中にあったのは一つだけです。しかし、それが何だったかは、お二人にも決して想像できないでしょう。私の髪の束だったのです。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • rearranging(リーアレインジング)… 並べ直す・組み直す
  • perfection(パーフェクション)… 完璧さ
  • examining(イグザミニング)… 調べながら・検査している
  • furniture(ファーニチャー)… 家具
  • oversight(オウヴァーサイト)… 見落とし、手違い
  • fastened(ファースンド)… 留められた・固く閉じられた
  • drawers(ドローズ)… 引き出し(複数)
  • annoyed(アノイド)… 腹を立てた

次の場面:二つの髪束 The Two Locks of Hair

引き出しから現れたのは、見覚えのある色をした長い髪の束だった。驚いたハンター嬢は、自分の切った髪をしまった鞄を急いで開ける。そこには自分の髪も残っており、よく似た二つの髪束が別々に存在することが分かる。