Scene 38 · Notes

解説 場面 38「写真の暗室」

この場面の解説

ハンターが閉ざされた部屋について尋ねると、ルーカッスルは写真用の暗室だと答える。冗談めいた口調で彼女の観察力を褒めるが、その目には疑いと苛立ちが現れている。

表現・文法のポイント

By the way
話題を軽く変える「ところで」。ハンターは何気ない質問に見せかけて、閉ざされた棟を探る。
no jest in his eyes
口調と目つきの不一致を表す。表面の冗談の裏で、彼が強く警戒していることが分かる。

全文の対訳

"I assured him that I was not offended. 'By the way,' said I, 'you seem to have quite a suite of spare rooms up there, and one of them has the shutters up.'

「私は気を悪くしていないと答えました。『そういえば』と私は言いました。『二階には使っていない部屋が一続きになっているようですね。一室はよろい戸も閉まっています』

"He looked surprised and, as it seemed to me, a little startled at my remark.

「その言葉に、彼は驚き、私には少しぎくりとしたようにも見えました。

"'Photography is one of my hobbies,' said he. 'I have made my dark room up there. But, dear me! what an observant young lady we have come upon. Who would have believed it? Who would have ever believed it?' He spoke in a jesting tone, but there was no jest in his eyes as he looked at me. I read suspicion there and annoyance, but no jest.

「『写真撮影は私の趣味の一つでね』と彼は言いました。『あそこに暗室を作ったのです。しかし、これはこれは。何と観察力の鋭いお嬢さんに来ていただいたことでしょう。誰が想像できたでしょうね。いったい誰が想像できたでしょう』冗談めいた口調でしたが、私を見る目には少しも冗談の色がありませんでした。そこにあったのは疑いと不快感であり、冗談ではありませんでした。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • assured(アシュアド)… 確信に満ちた・自信のある・安心して・確信して(rest assured=安心してよい)難
  • photography(フォトグラフィー)… 写真(を撮ること)・写真術
  • observant(オブザーヴァント)… 観察力のある
  • suspicion(サスピション)… 疑い・疑念
  • annoyance(アノイアンス)… わずらわしさ・迷惑・いらだち
  • offended(オフェンディッド)… 気を悪くした
  • shutters(シャッターズ)… 雨戸・よろい戸(shutter の複数形。put up the shutters で「店じまいする」)
  • startled(スタートゥルド)… 驚かせた・驚いた・びっくりした

次の場面:探る機会 A Chance to Investigate

知らされていない部屋があると分かってから、ハンター嬢は中を確かめたい気持ちを抑えられない。機会は、トラーが酒に酔い、閉ざされた棟へ通じる鍵を扉に残した日に訪れる。ルーカッスル夫妻が外出すると、彼女は静かに廊下へ出る。