Scene 48 · Notes

解説 場面 48「子どもという手掛かり」

この場面の解説

子供の残酷さが事件と関係するというホームズの言葉に、ワトソンは驚く。ホームズは子から親の性格を推し量れると説明し、依頼人も推理の正しさを確信して、救出を急ぐよう訴える。

表現・文法のポイント

the converse is equally valid
converseは命題の「逆」。親から子を読むだけでなく、子から親の性質も読めるという論理である。
bodes evil
「悪い前兆となる」。子供の残酷さが親由来なら、支配下の娘にも危険が及ぶと推測している。

全文の対訳

"What on earth has that to do with it?" I ejaculated.

「いったい、それが何の関係があるんだ?」私は思わず叫んだ。

"My dear Watson, you as a medical man are continually gaining light as to the tendencies of a child by the study of the parents. Don't you see that the converse is equally valid. I have frequently gained my first real insight into the character of parents by studying their children. This child's disposition is abnormally cruel, merely for cruelty's sake, and whether he derives this from his smiling father, as I should suspect, or from his mother, it bodes evil for the poor girl who is in their power."

「ワトソン、医師であるきみは、親を調べることで子供の性向について絶えず手がかりを得ている。その逆も同じように成り立つと分からないかい。私は子供を調べることで、親の性格について初めて本当の洞察を得たことが何度もある。この子供の性質は、残酷さそのものを楽しむ異常に残忍なものだ。それを、私が疑っているように笑顔の父親から受け継いだにせよ、母親から受け継いだにせよ、彼らの手中にある哀れな娘には不吉な兆しとなる」

"I am sure that you are right, Mr. Holmes," cried our client. "A thousand things come back to me which make me certain that you have hit it. Oh, let us lose not an instant in bringing help to this poor creature."

「おっしゃるとおりに違いありません、ホームズさん」と依頼人は叫んだ。「今になって無数のことを思い出し、あなたの推理が正しいと確信できます。ああ、一刻も無駄にせず、あの哀れな方を助けに行きましょう」

"We must be circumspect, for we are dealing with a very cunning man. We can do nothing until seven o'clock. At that hour we shall be with you, and it will not be long before we solve the mystery."

「相手はひどく狡猾な男ですから、慎重に行動しなければなりません。七時までは何もできません。その時刻に私たちは屋敷へ伺います。そして、謎が解けるまで長くはかからないでしょう」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • ejaculated(イジャキュレイティッド)… (古風)思わず叫んだ・突然言った(今は別の意味が主なので、日常では exclaimed を使う)難
  • disposition(ディスポズィション)… 気質・性分・配置・処分難
  • circumspect(サーカムスペクト)… 慎重な・用心深い難
  • continually(コンティニュアリー)… 絶えず・繰り返し
  • tendencies(テンデンスィーズ)… 性向
  • frequently(フリークェントリー)… しばしば・頻繁に
  • abnormally(アブノーマリー)… 異常に
  • character(キャラクター)… 性格・人柄・性質・特徴・特徴のある人物・人・人格・登場人物・文字・評判・信用・名誉

次は第 4 章「閉ざされた棟へ」

夕方七時、ホームズとワトソンはハンター嬢とともにぶな屋敷へ入る。夫妻は外出し、使用人たちも計画どおり動きを封じられている。三人は階段を上がり、これまで近づけなかった棟の扉を開く。薄暗い廊下の先で待っているものを確かめるため、奥の部屋へ進んでいく。