Scene 102 · Notes

解説 場面 102「客が告げた名」

この場面の解説

乗客が名前も明かしたと聞き、ホームズは得意になる。だが、名乗ったのがシャーロック・ホームズだったと知ると、驚きの後に大笑いする。

表現・文法のポイント

taken aback
思いがけないことで不意をつかれ、あっけに取られること。御者が伝えた名前は、ホームズの予想を完全に外した。
he mentioned his name, did he?
相手の話を確認する、少し得意げな言い返し。ここでのnameは御者が聞いた名乗りであり、本当の身元と確認されたものではない。

全文の対訳

"Did he say anything more?"

「ほかにも何か言いましたか?」

"He mentioned his name."

「名前を言いました」

Holmes cast a swift glance of triumph at me. "Oh, he mentioned his name, did he? That was imprudent. What was the name that he mentioned?"

ホームズは勝ち誇った視線を素早く私へ投げた。「ほう、名前を言ったのですか。それは不用心でしたね。何という名前です?」

"His name," said the cabman, "was Mr. Sherlock Holmes."

「名前は」と御者は言った。「シャーロック・ホームズ氏でした」

Never have I seen my friend more completely taken aback than by the cabman's reply. For an instant he sat in silent amazement. Then he burst into a hearty laugh.

御者の答えほど、友が完全に不意をつかれたところを、私は見たことがない。一瞬、彼は驚いて黙ったまま座っていた。それから心からの大笑いをした。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • cast(キャスト)… 型・型取りした模型・(cast a gloomで)暗い影を落とした・向けた・投げた・配役難
  • swift(スウィフト)… 素早い・迅速な難
  • cabman(キャブマン)… (辻馬車の)御者・タクシー運転手難
  • mentioned(メンションド)… 口にした・触れた
  • imprudent(インプルーデント)… 不用心な・軽率な
  • amazement(アメイズメント)… 驚き・びっくり
  • cabman's(キャブマンズ)… 御者の(cabmanの所有格)
  • triumph(トライアンフ)… 勝利・勝ち誇った喜び

次の場面:乗せた場所 Where the Fare Was Taken Up

乗客が名乗った言葉を聞き、ホームズはその対応の意味を考えている。だが、まだ御者から尋ねられることは残っている。どこで声を掛けられ、どんな頼みを受けたのか。夜の居間での聞き取りは、朝の馬車が走り始めた時刻と場所へ戻ろうとしている。