Scene 104 · Notes

解説 場面 104「馬車の道順」

この場面の解説

御者は、待機の後に二人を尾行し、乗客に急かされて駅へ走ったと語る。乗客は料金を払って駅に入り、去り際にホームズと名乗ったという。

表現・文法のポイント

as hard as I could go
行ける限りの速さで。御者は乗客に、すぐウォータールー駅へ全速力で向かうよう叫ばれたという。
like a good one
ここでは気持ちよく、約束どおりに支払ったという口語的な評価。御者は乗客の料金の払い方を述べている。

全文の対訳

"This very door," said Holmes.

「まさにこの戸口です」とホームズは言った。

"Well, I couldn't be sure of that, but I dare say my fare knew all about it. We pulled up halfway down the street and waited an hour and a half. Then the two gentlemen passed us, walking, and we followed down Baker Street and along—"

「いや、そこまでは分かりませんが、乗客はすべて承知していたんでしょう。通りの半ばに止めて、一時間半待ちました。それから紳士二人が歩いて前を通り、ベイカー街を下って、それから――」

"I know," said Holmes.

「分かっています」とホームズは言った。

"Until we got three-quarters down Regent Street. Then my gentleman threw up the trap, and he cried that I should drive right away to Waterloo Station as hard as I could go. I whipped up the mare and we were there under the ten minutes. Then he paid up his two guineas, like a good one, and away he went into the station. Only just as he was leaving he turned round and he said: 'It might interest you to know that you have been driving Mr. Sherlock Holmes.' That's how I come to know the name."

「リージェント街を四分の三ほど進むまでです。そこで、あの紳士が上の小窓を開け、全速力で、すぐウォータールー駅へ行けと叫んだんです。牝馬に鞭を入れ、十分もかからず着きました。紳士は約束どおり気持ちよく二ギニー払い、そのまま駅へ入っていきました。ただ、去る時に振り返って、こう言ったんです。『シャーロック・ホームズ氏を乗せていたと知れば、面白かろう』。それで名前を知ったんです」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • guineas(ギニーズ)… ギニー(英国の旧金貨・21シリング)の複数難
  • three-quarters(スリークウォーターズ)… 四分の三
  • couldn't(クドゥント)… 〜できなかった(could not)
  • whipped(ウィップト)… 鞭を入れた・素早く動かした
  • dare(デア)… あえて~する・思い切って~する
  • fare(フェア)… (乗り物の)客・運賃・(出される)料理、食事
  • trap(トラップ)… (馬車の)上の小窓・二輪の辻馬車・わな(a rat in a trap)・二輪馬車・落とし穴
  • mare(メア)… 牝馬

次の場面:乗客の様子 The Passenger's Appearance

御者は駅まで乗客を送り、そこで別れたところまでを話している。道順や名乗った言葉が分かっても、誰なのかを確かめるには本人の姿も必要になる。ホームズは見た目について尋ねようとする。朝の短い出会いを、御者は改めて思い返すことになる。