Scene 140 · Notes

解説 場面 140「平地の先」

この場面の解説

緑の場所はグリンペンの大沼だった。小馬が沈むのを前日にも見たと話す最中、もう一頭がもがき、ワトソンは恐怖を感じる。

表現・文法のポイント

A false step
踏む場所を一歩誤ること。ステイプルトンは沼での足場の危険を述べ、人にも動物にも死につながると警告する。
the very heart of it
そのまさに中心部ということ。自分なら奥まで入って戻れるとステイプルトンは言うが、一般に安全な場所だという意味ではない。

全文の対訳

Stapleton laughed. "That is the great Grimpen Mire," said he. "A false step yonder means death to man or beast. Only yesterday I saw one of the moor ponies wander into it. He never came out. I saw his head for quite a long time craning out of the bog-hole, but it sucked him down at last. Even in dry seasons it is a danger to cross it, but after these autumn rains it is an awful place. And yet I can find my way to the very heart of it and return alive. By George, there is another of those miserable ponies!"

ステイプルトンは笑った。「あれがグリンペンの大沼です」と彼は言った。「あそこで一歩踏み違えれば、人も獣も死にます。昨日も、荒れ地の小馬が一頭、入り込むのを見ました。出てきませんでした。長い間、沼の穴から首を伸ばす頭が見えましたが、ついに吸い込まれたのです。乾いた季節でも横切るのは危険ですが、秋の雨の後は恐ろしい場所です。それでも私は、そのまさに中心まで道を見つけ、生きて戻れます。おや、またあの哀れな小馬が」

Something brown was rolling and tossing among the green sedges. Then a long, agonised, writhing neck shot upward and a dreadful cry echoed over the moor. It turned me cold with horror, but my companion's nerves seemed to be stronger than mine.

緑のスゲの間で、何か茶色のものが転がり、もがいていた。それから、苦しみに身をくねらせる長い首が上へ伸び、恐ろしい叫びが荒れ地に響いた。私は恐怖で冷たくなったが、連れの神経は私より強いようだった。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • yonder(ヨンダー)… 向こうに・あそこに(古風)難
  • writhing(ライズィング)… うねうねと動く・身もだえする難
  • companion's(カンパニオンズ)… 相棒の・連れの
  • miserable(ミズラブル)… みじめな・不快な
  • bog-hole(ボグホウル)… 沼の穴・深いぬかるみ
  • agonised(アガナイズド)… 苦しみにさいなまれた
  • dreadful(ドレッドフル)… ひどい・恐ろしい
  • craning(クレイニング)… 首を伸ばすこと

次の場面:沼の向こう側 The Far Side of the Mire

平地に見えた場所は、足を踏み外す危険のあるグリンペンの大沼だった。ワトソンはその怖さを目にしているが、ステイプルトンは奥へ行ける道を知るという。なぜそのような所へ入る必要があるのか。二人は沼の向こうにある土地へ話を向けようとしている。