Scene 67 · Notes

解説 場面 67「ほかに起きたこと」

この場面の解説

紙には透かしも見つからず、ホームズはほかの出来事を尋ねる。尾行の可能性にヘンリー卿は驚き、ホームズは日常から外れることを何でも報告してほしいと言う。

表現・文法のポイント

a dime novel
安価な通俗小説を指す表現。ヘンリー卿は尾行や見張りという話に驚き、そうした小説の中へ入ったようだと例える。
out of the ordinary routine of life
普段の決まりきった暮らしから外れること。ホームズは、大事件と思える事柄だけに報告を限らないよう求めている。

全文の対訳

"Well?"

「どうした?」

"Nothing," said he, throwing it down. "It is a blank half-sheet of paper, without even a water-mark upon it. I think we have drawn as much as we can from this curious letter; and now, Sir Henry, has anything else of interest happened to you since you have been in London?"

「何でもない」と彼は紙を放り出して言った。「透かしさえない、何も書かれていない半裁の紙だ。この奇妙な手紙から得られるものは、できるだけ得たようです。さて、ヘンリー卿、ロンドンにいらしてから、ほかに興味深いことはありませんでしたか?」

"Why, no, Mr. Holmes. I think not."

「いや、ホームズさん。なかったと思います」

"You have not observed anyone follow or watch you?"

「誰かが後をつけたり、見張ったりするのに気づきませんでしたか」

"I seem to have walked right into the thick of a dime novel," said our visitor. "Why in thunder should anyone follow or watch me?"

「安い三文小説の真ん中へ、足を踏み入れたみたいですね」と客は言った。「一体なぜ、誰かが僕をつけたり、見張ったりするんです?」

"We are coming to that. You have nothing else to report to us before we go into this matter?"

「それは、これからです。この話に入る前に、ほかに報告することは何もありませんか?」

"Well, it depends upon what you think worth reporting."

「まあ、何を報告に値すると思われるかによります」

"I think anything out of the ordinary routine of life well worth reporting."

「日常の決まりきったことから外れるものは、何でも報告する価値があると思います」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • half-sheet(ハーフシート)… 紙の半裁・半枚
  • water-mark(ウォーターマーク)… 紙の透かし模様
  • reporting(リポーティング)… 報告すること・記者の仕事
  • observed(オブザーヴド)… 気づいた・観察した・認められた・目に留まった・述べた(会話の挿入句)・観察した・注意して見た(observe の過去分詞)
  • ordinary(オーディナリー)… 普通の・ありふれた
  • curious(キューリアス)… 風変わりな・好奇心の強い・知りたがっている・興味を持った・妙な・奇妙な・好奇心の強い
  • thunder(サンダー)… (by thunderなどで)何と・一体・雷
  • routine(ルーティーン)… 決まりきった日課・いつもの手順

次の場面:朝の小さな不便 A Small Morning Trouble

ロンドンでの出来事を尋ねられ、ヘンリー卿は何が報告に値するのかを考えている。大きな事件と思えなくても、いつもと違うことならホームズは聞きたいという。北米で暮らしてきた客が、到着後の日常にあった小さな不便を話そうとしている。