Scene 132 · Notes

解説 場面 132「確かめるべきこと」

この場面の解説

ワトソンはすぐにステイプルトンを捕らえたいと言うが、ホームズは知識と法廷で証明できる事実は別だと制する。今夜は友人の遺体を弔うことしかできないと決める。

表現・文法のポイント

one false move
「一手の間違い」。チェスのように、一つの誤った行動で相手を逃す危険を表す。
the last offices
「最後の務め」。死者の遺体を弔い、後始末をすることを指す。

全文の対訳

"Our case is not complete. The fellow is wary and cunning to the last degree. It is not what we know, but what we can prove. If we make one false move the villain may escape us yet."

「私たちの立証はまだ完成していない。あの男はこの上なく慎重で狡猾だ。問題なのは、私たちが何を知っているかではなく、何を証明できるかだ。一手でも間違えれば、あの悪党はまだ私たちの手から逃れるかもしれない」

"What can we do?"

「どうすればいい」

"There will be plenty for us to do tomorrow. Tonight we can only perform the last offices to our poor friend."

「明日になれば、すべきことはいくらでもある。今夜は、哀れな友に最後の務めを果たすことしかできない」

Together we made our way down the precipitous slope and approached the body, black and clear against the silvered stones. The agony of those contorted limbs struck me with a spasm of pain and blurred my eyes with tears.

私たちは二人で急な斜面を下り、月に白く照らされた石の上に、黒くくっきりと浮かぶ遺体へ近づいた。苦痛にゆがんだ手足を見ると、けいれんのような痛みが私を貫き、涙で目の前がかすんだ。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • precipitous(プリスィピタス)… 切り立った・急な難
  • silvered(スィルヴァード)… 銀色に照らされた・銀めっきした難
  • contorted(カントーティッド)… ゆがんだ・ねじれた難
  • spasm(スパズム)… けいれん・突然の発作難
  • approached(アプロウチト)… 近づいた・〜から行ける・道や場所に近づかれた・行き着かれた・近づいた(approach の過去・過去分詞)
  • tomorrow(トゥモロウ)… 明日
  • cunning(カニング)… 悪賢い・ずる賢い
  • villain(ヴィラン)… 悪党・悪人

次の場面:その場での確認 A Closer Look

ワトソンは現場で助けを呼ぶことを考えている。ホームズにも、まだ確認したいことがあるようだ。二人は暗がりの中で、それぞれの気付いた点へ注意を向ける。夜の現場で分かることは限られており、助けを求めるにも、まず今の状態を見定める必要がある。