Scene 138 · Notes

解説 場面 138「名を伝える」

この場面の解説

死者がセルデンだと知ると、ステイプルトンは驚きと失望を必死に隠す。ホームズは身元を明かさず、散歩中に叫び声を聞き、男は転落したらしいと説明する。

表現・文法のポイント

by a supreme effort
「必死の努力で」。予定と違う死者を見た彼が、感情を隠すため最大限に自制したこと。
turned a ghastly face
「死人のような顔を向けた」。実際に死んでいるのではなく、衝撃で顔が青ざめた様子だ。

全文の対訳

"It is Selden, the man who escaped from Princetown."

「プリンスタウンから脱走した男、セルデンだ」

Stapleton turned a ghastly face upon us, but by a supreme effort he had overcome his amazement and his disappointment. He looked sharply from Holmes to me. "Dear me! What a very shocking affair! How did he die?"

ステイプルトンは死人のような顔を私たちへ向けた。しかし必死の努力で、驚きと失望を押し殺した。彼はホームズから私へ、鋭い視線を走らせた。「なんという。実に痛ましい事件です。どのように死んだのですか」

"He appears to have broken his neck by falling over these rocks. My friend and I were strolling on the moor when we heard a cry."

「この岩から落ち、首の骨を折ったらしい。私とこの友人は荒れ地を散歩していて、叫び声を聞いたのだ」

"I heard a cry also. That was what brought me out. I was uneasy about Sir Henry."

「私も叫び声を聞きました。それで外へ出てきたのです。ヘンリー卿のことが心配になりました」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • disappointment(ディサポイントメント)… 失望・落胆
  • amazement(アメイズメント)… 驚き・びっくり
  • overcome(オウヴァカム)… 押し殺した・克服した
  • shocking(ショッキング)… ひどい・けしからん・衝撃的な
  • escaped(イスケイプト)… (注意を)逃れた・見落とされた・抜け出した・逃げ出した
  • ghastly(ガーストリー)… 恐ろしい・ぞっとする・青ざめた・恐ろしい
  • supreme(スプリーム)… この上ない・最高の
  • sharply(シャープリー)… 鋭く・きびしく・急に

次の場面:問いかけの応酬 Questions Exchanged

ステイプルトンの言葉を聞き、ワトソンには尋ねたいことがある。互いに耳にしたものや心配した相手について、三人は話している。返事の細部へ注意を向ける場面だ。誰かが話すときの言葉や様子も、調べを続ける二人には、見落とさずにおきたい材料になる。