Scene 144 · Notes

解説 場面 144「残る難しさ」

この場面の解説

ホームズは、現在あるのは憶測だけで、法廷では笑いものにされると話す。チャールズ卿の体に傷はなく、猟犬の牙や足跡も証拠として残っていない。

表現・文法のポイント

Not a shadow of one
「影ほどもない」。立件できる根拠がまったくないことを強調する。
laughed out of court
「笑われて法廷から追い出される」。主張が証拠不足で、真面目に取り合われないこと。

全文の対訳

"Surely we have a case."

「それでも、立件できるはずだ」

"Not a shadow of one—only surmise and conjecture. We should be laughed out of court if we came with such a story and such evidence."

「影ほどの根拠すらない——あるのは憶測と推測だけだ。こんな話と証拠を持って法廷へ行けば、われわれは笑いものにされ、追い出されるだろう」

"There is Sir Charles's death."

「チャールズ卿の死がある」

"Found dead without a mark upon him. You and I know that he died of sheer fright, and we know also what frightened him, but how are we to get twelve stolid jurymen to know it? What signs are there of a hound? Where are the marks of its fangs? Of course we know that a hound does not bite a dead body and that Sir Charles was dead before ever the brute overtook him. But we have to prove all this, and we are not in a position to do it."

「体に何の傷もないまま、死体で見つかった。君と私は、彼がひたすら恐怖のために死んだことも、何が彼をおびえさせたかも知っている。だが、頑固な12人の陪審員にそれをどうやって分からせるのだ。猟犬がいたことを示す痕跡がどこにある。牙の跡はどこにある。もちろん私たちは、猟犬が死体にかみつくことはなく、あの野獣が追いつく前にチャールズ卿はすでに死んでいたと知っている。しかし私たちは、その全てを証明しなければならない。そして今の私たちには、それができない」

"Well, then, tonight?"

「じゃあ、今夜の件は」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • surmise(サーマイズ)… 推測難
  • stolid(ストリッド)… 感情を表さない・頑固な難
  • jurymen(ジュアリメン)… 男性の陪審員(jurymanの複数)難
  • fangs(ファングズ)… 牙・毒牙(複数)難
  • brute(ブルート)… 乱暴者・獣・粗野な男難
  • conjecture(コンジェクチャー)… 推測・憶測
  • frightened(フライトゥンド)… おびえた
  • evidence(エヴィデンス)… 証拠・証言・証言・証拠

次の場面:明日に向けて Thinking of Tomorrow

今夜の出来事を受けても、調査にはなお難しい点が残る。ホームズはどんな見通しを持っているのか。ワトソンは話を聞きながら、翌日へつながる行動を考える。近くの館へ戻る足取りの中でも、二人の頭には、まだ整理し終えていない出来事が残っている。