Scene 146 · Notes

解説 場面 146「門の前で」

この場面の解説

館の門まで来ると、ホームズはもう姿を隠さないと決める。ヘンリー卿には猟犬のことを隠し、翌日の試練に備えて、ステイプルトン夫妻の夕食へ一人で行かせるよう命じる。

表現・文法のポイント

a better nerve for the ordeal
「試練のためのより強い神経」。猟犬の真相を知らない方が、恐怖に負けず翌日の役割を果たせるという判断だ。
you must excuse yourself
「君は理由をつけて断らなければならない」。自分自身を許すのではなく、招待へ行けないと伝えること。

全文の対訳

I could draw nothing further from him, and he walked, lost in thought, as far as the Baskerville gates.

それ以上彼から何も聞き出せなかった。彼は考えに沈んだまま、バスカヴィル館の門まで歩いた。

"Are you coming up?"

「君も中へ来るのか」

"Yes; I see no reason for further concealment. But one last word, Watson. Say nothing of the hound to Sir Henry. Let him think that Selden's death was as Stapleton would have us believe. He will have a better nerve for the ordeal which he will have to undergo tomorrow, when he is engaged, if I remember your report aright, to dine with these people."

「ああ。これ以上、姿を隠す理由はない。だがワトソン、最後に一言だ。ヘンリー卿に、猟犬のことは何も言うな。セルデンの死は、ステイプルトンが私たちに信じさせたがったとおりだと思わせておけ。明日、彼は試練を乗り切るのに、より強い神経が必要になる。君の報告を私が正しく覚えていれば、彼は明日、あの人々と夕食をとる約束だ。

"And so am I."

「私も招かれている」

"Then you must excuse yourself and he must go alone. That will be easily arranged. And now, if we are too late for dinner, I think that we are both ready for our suppers."

「では君は理由をつけて断り、彼を一人で行かせるんだ。それは簡単に手配できる。さて、もしもう夕食に間に合わないなら、私たちは二人とも夜食を食べる準備ができていると思うよ」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • aright(アライト)… 正しく・間違いなく(古風)難
  • concealment(コンスィールメント)… 隠すこと・隠匿
  • tomorrow(トゥモロウ)… 明日
  • further(ファーザー)… それ以上の・ほかの・さらに
  • undergo(アンダゴウ)… 経験する・受ける
  • engaged(エンゲイジド)… 〜に取り組んでいた(be engaged in)・婚約していた・雇われた・予約された・婚約した・忙しい
  • suppers(サパーズ)… 夜食(supperの複数)
  • ordeal(オーディール)… 厳しい試練・苦難

次は第 8 章「網を張る」

荒れ地での夜を経て、ホームズとワトソンはバスカヴィル館へ戻る。ヘンリー卿は館で一日を過ごしていた。互いに知らない出来事を、どこから伝えるべきだろうか。家で待つ人々と顔を合わせ、外で得たことを受け止め直す時間が始まろうとしている。