Scene 181 · Notes

解説 場面 181「道に耳を澄ます」

この場面の解説

サー・ヘンリーが霧を抜け、何度も背後を気にしながら三人のそばを通る。直後、ホームズは拳銃を構え、何かが来ると警告する。

表現・文法のポイント

ill at ease
不安で落ち着かない様子を表す。
the sharp click of a cocking pistol
拳銃の撃鉄を起こして発射準備をした音だ。

全文の対訳

A sound of quick steps broke the silence of the moor. Crouching among the stones we stared intently at the silver-tipped bank in front of us. The steps grew louder, and through the fog, as through a curtain, there stepped the man whom we were awaiting. He looked round him in surprise as he emerged into the clear, starlit night. Then he came swiftly along the path, passed close to where we lay, and went on up the long slope behind us. As he walked he glanced continually over either shoulder, like a man who is ill at ease.

急いで走る足音が、荒れ地の静寂を破った。私たちは岩の間に身をかがめ、正面の銀色に縁取られた霧の層を凝視した。足音は大きくなり、やがてカーテンを通り抜けるように霧の中から、私たちが待っていた男が現れた。澄んだ星空の下へ出た彼は、驚いたように周囲を見回した。それから小道を急ぎ足で進み、私たちの潜む場所のすぐ近くを通り過ぎ、後ろの長い斜面を上っていった。歩きながら、落ち着かない人のように左右の肩越しをたえず振り返っていた。

"Hist!" cried Holmes, and I heard the sharp click of a cocking pistol. "Look out! It's coming!"

「しっ」とホームズが叫び、拳銃の撃鉄を起こす鋭い音が聞こえた。「気をつけろ。来るぞ」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • silver-tipped(スィルヴァーティプト)… 先端が銀色の難
  • hist(ヒスト)… しっ(静かにさせる声)難
  • continually(コンティニュアリー)… 絶えず・繰り返し
  • crouching(クラウチング)… 身をかがめている・うずくまっている
  • intently(インテントリー)… 熱心に・じっと
  • awaiting(アウェイティング)… 待っている(await の現在分詞)
  • silence(サイレンス)… 沈黙・静けさ・黙らせる・口を封じる(動詞)・沈黙・静けさ
  • curtain(カートゥン)… カーテン

次の場面:霧の縁を見つめる Watching the Edge of the Fog

道を行くヘンリー卿を見守りながら、三人は霧の向こうにも注意を向ける。何かが近づくような音がする。白い壁のような霧を前に、次の瞬間を待つところだ。屋敷の窓を眺めていたときとは違い、いまは、霧の縁とその先の道へ視線を集める時間になっている。