Scene 25 · Notes

解説 場面 25「帰り道で」

この場面の解説

私的な場面を見たワトソンは気まずさを覚えながら、ヘンリー卿と会う。追ってきた事情を率直に説明すると、相手の怒りは和らぎ、情けなさそうな笑いに変わる。

表現・文法のポイント

Where have you dropped from?
「どこから現れたんだ」。本当に空から落ちたと尋ねるのではなく、予想せず現れた相手に驚く言葉だ。
disarmed his anger
「怒りを解いた」。武器を取り上げるのではなく、率直な説明が相手の怒りを和らげる比喩。

全文の対訳

What all this meant I could not imagine, but I was deeply ashamed to have witnessed so intimate a scene without my friend's knowledge. I ran down the hill therefore and met the baronet at the bottom. His face was flushed with anger and his brows were wrinkled, like one who is at his wit's ends what to do.

何を意味するのか、私にはまるで分からなかった。だが、友人の知らないところで、あれほど私的な場面を見てしまったことを、深く恥じた。そこで丘を駆け下り、ふもとで準男爵と出会った。顔は怒りで赤くなり、どうしてよいか途方に暮れた人のように、眉間にはしわが寄っていた。

"Halloa, Watson! Where have you dropped from?" said he. "You don't mean to say that you came after me in spite of all?"

「やあ、ワトソン。どこから降ってきたんだ」と彼は言った。「あれほど言ったのに、僕のあとをつけてきたというんじゃないだろうね」

I explained everything to him: how I had found it impossible to remain behind, how I had followed him, and how I had witnessed all that had occurred. For an instant his eyes blazed at me, but my frankness disarmed his anger, and he broke at last into a rather rueful laugh.

私はすべてを説明した。残っていることがどうしてもできず、あとを追い、起きたことをすべて見た経緯を話した。一瞬、彼の目が私に向かって燃え上がったが、私の率直さが怒りを解き、しまいには、いささか情けなさそうな笑いを漏らした。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • rueful(ルーフル)… 情けなさそうな・悲しげな・悔やむような難
  • witnessed(ウィットネスト)… 目撃した
  • knowledge(ノリッジ)… 知識
  • therefore(ゼアフォー)… それゆえ・したがって
  • frankness(フランクナス)… 率直さ
  • intimate(インティメット)… 親密な・親しい
  • wrinkled(リンクルド)… しわくちゃの・しわの寄った
  • occurred(オカード)… 起こった・(occurred toで)思いついた・生じた・思い浮かんだ

次の場面:友への問い A Question for a Friend

ヘンリー卿は荒れ地での出来事を、ワトソンへ話そうとしている。自分以外に誰が見ていたのか、何を目にしたのか。二人の間で率直な会話が続く。本人の口から事情を聞けば、遠くから目にした光景とは違う側面も、考えられるかもしれない。