Scene 38 · Notes

解説 場面 38「窓前の応酬」

この場面の解説

灯を動かすと外の光も動き、ヘンリー卿は仲間と企みの内容を尋ねる。執事が拒み続けると、主人は即座に解雇すると告げる。

表現・文法のポイント

my business
ここでは商売ではなく、「自分の事情、自分に関わること」。バリモアは主人には関係しないと主張している。
leave my employment
「私に雇われている立場を離れる」。主人が執事に職を辞めるよう命じており、すぐ部屋から出ろというだけの意味ではない。

全文の対訳

"No, no, sir, it is nothing—nothing at all!" the butler broke in; "I assure you, sir—"

「いえ、いえ、旦那様。何でもありません。まったく何でもございません」と執事は口を挟んだ。「確かに申し上げます、旦那様

"Move your light across the window, Watson!" cried the baronet. "See, the other moves also! Now, you rascal, do you deny that it is a signal? Come, speak up! Who is your confederate out yonder, and what is this conspiracy that is going on?"

「灯を窓の端へ動かしてくれ、ワトソン」と準男爵が叫んだ。「見ろ、向こうも動く。さて、悪党め、これが合図だということを、まだ否定するのか。さあ、はっきり話せ。あそこにいる仲間は誰で、何の企みが進んでいるんだ」

The man's face became openly defiant. "It is my business, and not yours. I will not tell."

男の顔は、あからさまに反抗的になった。「私のことで、旦那様のことではございません。申し上げません」

"Then you leave my employment right away."

「では、たったいま解雇する」

"Very good, sir. If I must I must."

「承知いたしました、旦那様。そうしなければならないなら、いたしましょう」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • confederate(コンフェデレット)… 共犯者・仲間難
  • yonder(ヨンダー)… 向こうに・あそこに(古風)難
  • conspiracy(コンスピラスィー)… 陰謀・共謀難
  • employment(エンプロイマント)… 雇用・雇われていること
  • baronet(バラニット)… 準男爵
  • defiant(ディファイアント)… 反抗的な
  • butler(バトラー)… 執事
  • assure(アシュア)… 確信させる・請け合う

次の場面:部屋の入口から From the Doorway

問いに答えないバリモアへ、ヘンリー卿は厳しい言葉を向ける。長く館に仕えてきた執事の立場も関わる話だ。室内のやり取りが続く中、戸口にも気配がある。主人と使用人という間柄に加え、長くこの家に関わってきた人々の思いも、会話に影を落としている。