第 9-b 章(IX-b)荒れ地の灯(ワトソン博士の第二の報告)〔後半〕The Hound of the Baskervilles (Part 2)

日中の出来事を書き終えたワトソンは、館での夜の話へ移ろうとしている。執事の行動を確かめるため、ヘンリー卿と相談していたことがある。大きな家が静まる時間に、二人は何を見聞きするのか。手紙の後半で、夜を過ごした順序をたどり始める。

解説の目次

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  1. 32夜の報告へ The Night's Account日中の出来事を伝えたワトソンは、夜の館での話へ筆を進める。バリモアの行動を確かめるため、ヘンリー卿と相談したことがある。次はその経過を記す番だ。執事の夜の動きを不思議に感じた二人には、同じ時刻の館で、もう一度様子を見る約束がある。解説を読む ›
  2. 33寝ずの見張り Keeping Watchヘンリー卿とワトソンは、夜の館で様子を確かめようとしている。眠気に耐えながら物音を待つ時間は長い。広い廊下の静けさへ、二人は耳を澄ませる。眠っている人の多い家の中では、椅子を動かす音や、小さな足音にも気を配らなければならない。解説を読む ›
  3. 34廊下へ出る Into the Passage待っていた二人の耳に、廊下を行く足音が届く。誰がどこへ向かうのか、部屋の中からは見えない。ヘンリー卿とワトソンは静かに様子を確かめようとしている。前にワトソンが一人で見た出来事を、今度はヘンリー卿も、ともに自分の目で確かめることになる。解説を読む ›
  4. 35窓辺の問い A Question at the Windowヘンリー卿とワトソンは、窓のそばにいるバリモアを見つける。夜更けの行動を本人に確かめるときだ。ろうそくの光の中で、主人が執事へ向き直る。ただ遠くから見ているだけでなく、館の主人として直接尋ねることを、ヘンリー卿は考えている。解説を読む ›
  5. 36確かめたいこと An Answer Required何をしていたのかと尋ねられ、バリモアは主人と向き合っている。ヘンリー卿は曖昧な返事では納得しそうにない。夜の部屋で、問いかけが続こうとしている。ワトソンが前の夜に見たことと、いま目の前にある光景とを、本人の説明で確かめたいところだ。解説を読む ›
  6. 37灯を手に取る Taking the Candleろうそくを掲げた理由を問われても、バリモアは答えをためらう。ワトソンは目の前の窓と灯に注意を向ける。相手の言葉だけでなく、状況から確かめようとしている。夜の窓とろうそくをめぐるやり取りを、二人は本人のすぐそばで、注意深く追い続けている。解説を読む ›
  7. 38窓前の応酬 Words by the Window窓の向こうの光を、ワトソンとヘンリー卿は見つけた。主人は執事に説明を求め続けている。夜の行動をどう受け止めるか、三人の間の緊張が高まっている。窓の内側で見た行動と、外に見えるものを、どう結び付けるかが、二人にとっての問いになっている。解説を読む ›
  8. 39部屋の入口から From the Doorway問いに答えないバリモアへ、ヘンリー卿は厳しい言葉を向ける。長く館に仕えてきた執事の立場も関わる話だ。室内のやり取りが続く中、戸口にも気配がある。主人と使用人という間柄に加え、長くこの家に関わってきた人々の思いも、会話に影を落としている。解説を読む ›
  9. 40夫人の言葉 The Woman's Account部屋へ来たバリモア夫人は、夫をかばうように話し始めている。ヘンリー卿とワトソンは、彼女が知る事情をまだ聞いていない。夜の灯について説明を待つところだ。窓辺の行動について尋ねてきた二人には、まだ執事夫妻の側から語られていない部分が残っている。解説を読む ›
  10. 41語られる過去 An Account of the Pastバリモア夫人の説明が続き、ワトソンたちは静かに耳を傾ける。目の前の女性の暮らしには、館での仕事だけでは分からない事情がある。本人の言葉を聞く場面だ。館で毎日顔を合わせていても、互いの過去のすべてを知っているわけではないと感じる時間である。解説を読む ›
  11. 42窓を開けて At the Open Window夫人の言葉を聞いたヘンリー卿には、返事をする必要がある。ワトソンもその話を受け止めながら部屋にいる。執事夫妻と主人の会話は、なお続いている。夜の説明を聞いたあとにも、主人としてどう受け止めるかという問題が、ヘンリー卿には残っている。解説を読む ›
  12. 43遠い光まで Toward the Distant Light窓の外には、まだ遠くの灯が見える。ヘンリー卿とワトソンは、それが館からどのくらい離れているか話している。夜の荒れ地へ向けて、二人の視線が重なる。昼間には歩ける場所でも、夜の窓から眺めると、距離と起伏をつかむことは簡単にはいかない。解説を読む ›
  13. 44二人の相談 A Decision Between Friends遠くの光について話すうち、ヘンリー卿は行動を起こしたい気持ちを示す。ワトソンには安全を見守る役目がある。二人はその場で、どう動くか相談しようとしている。外へ出れば館の守りから離れるため、友人の望みだけでなく、危険にも目を向ける必要がある。解説を読む ›
  14. 45夜の荒れ地へ Out on the Moorヘンリー卿とワトソンは、館を出て夜の道を歩き始める。遠くに見えた光を頼りに進むつもりだ。闇の中では道の起伏も読みにくく、二人は言葉を交わす。先ほどまで窓から見ていた土地を、今度は自分の足で歩く二人の周囲に、冷たい夜風が吹いている。解説を読む ›
  15. 46闇の中で立ち止まる Pausing in the Dark暗い荒れ地を進む二人の周囲には、夜の静けさが広がっている。ヘンリー卿との会話を続けながら、ワトソンは足元と遠方へ注意を向ける。館はもう背後に遠い。館から見える灯を目印に出てきた二人には、周囲の音を聞き、道を確かめながら進む必要がある。解説を読む ›
  16. 47耳にした音 A Sound in the Night荒れ地に響く音を聞き、ヘンリー卿はワトソンへ尋ねている。昼間の館で話すのとは違い、周囲には暗い土地が広がる。聞こえたものをどう考えるか、会話が続く。自分が耳にした音について、ヘンリー卿は、そばにいるワトソンの知ることも聞きたがっている。解説を読む ›
  17. 48音の方角 The Direction of the Sound二人が耳にした音は、荒れ地のどちらから来たのだろうか。ヘンリー卿は遠くへ視線を向け、ワトソンに問いかけている。夜風の中で、聞いた印象を確かめ合う。目で確かめられる物とは違い、遠い声の方向は、風のある広い土地ではつかみにくいものである。解説を読む ›
  18. 49胸に残る不安 Uneasiness in the Darkヘンリー卿の気持ちは、聞こえた音から離れない。以前に聞いた物語と目の前の荒れ地が、闇の中で重なって感じられる。ワトソンは友人の言葉を受け止めようとしている。伝説を遠くで聞いたころと違い、いまはその土地の夜の中に、自分自身が立っていると感じられる。解説を読む ›
  19. 50進むか戻るか Whether to Go On夜の音への不安を抱えたまま、二人は次にどうするか話している。館へ戻る道も、灯へ向かう道もある。ワトソンはヘンリー卿の様子を見ながら返事を考える。そばにいる友人と話すことで、ヘンリー卿は自分の気持ちを確かめ、進むべき道を考えようとする。解説を読む ›
  20. 51岩間の灯 A Light Among the Rocks二人は暗い荒れ地を、遠くの光へ向かって進み続ける。周囲には黒い丘の輪郭が浮かんでいる。目印にしてきた灯へ近づくにつれ、足元の岩も見え始める。夜の地形は昼より読み取りにくく、手元の明かりを持たない二人には、遠くの小さな光が頼りだ。解説を読む ›
  21. 52光のそばをうかがう Watching Beside the Lightろうそくのある岩場まで来た二人は、近くの様子をうかがおうとしている。声を落として言葉を交わし、むやみに近づかない。周囲の暗がりへ視線を向ける。岩や地面の陰に隠れている所までは、一度に見渡せず、二人は小さな動きにも注意を払っている。解説を読む ›
  22. 53岩を越えて Over the Rocks灯のそばにいた男は、二人の気配に気付いたようだ。ワトソンとヘンリー卿の前には、起伏のある荒れ地が広がる。暗い道の先で、人影の動きを見失わないようにする。夜道で人を追うには、普段の走る速さだけでなく、岩の多い地面や、暗さも考えねばならない。解説を読む ›
  23. 54月の下の岩山 A Tor Under the Moon荒れ地を走った二人は、岩のそばで息を整えている。夜道を進み、館から遠くまで来てしまった。戻る前に周囲を見渡すワトソンの前には、月と丘の輪郭がある。あたりの丘を照らす月の光は、近くの草と、遠い岩の稜線とを、違った明るさで浮かび上がらせる。解説を読む ›
  24. 55手紙を閉じる前に Before Closing the Letter岩山を見たワトソンには、まだ確かめたいことがある。一方、同行するヘンリー卿の様子にも気を配らねばならない。館へ戻るまでの道を、報告の末尾で振り返る。現地で自分たちが見たことを、ロンドンに残るホームズへ伝えるため、出来事の順をたどり直す。解説を読む ›