Scene 39 · Notes

解説 場面 39「部屋の入口から」

この場面の解説

主人は一族の長い奉公を裏切ったと執事を責める。戸口に現れた妻は、自分が頼んだためだと夫をかばい、責任は自分にあると申し出る。

表現・文法のポイント

under this roof
「この屋根の下で」、つまりこの家での暮らし。主人は自分たちの家系と執事の家系の長い関係に言及する。
for my sake
「私のために」。妻は夫が独自に企んだのではなく、自分の頼みに従って動いたと説明している。

全文の対訳

"And you go in disgrace. By thunder, you may well be ashamed of yourself. Your family has lived with mine for over a hundred years under this roof, and here I find you deep in some dark plot against me."

「しかも、不名誉な辞め方だ。まったく、恥を知るがいい。きみの一族は僕の一族と、この屋根の下で百年以上暮らしてきた。それなのに、いま見ると、きみは僕に対する、何かよからぬ企みに深く関わっている」

"No, no, sir; no, not against you!" It was a woman's voice, and Mrs. Barrymore, paler and more horror-struck than her husband, was standing at the door. Her bulky figure in a shawl and skirt might have been comic were it not for the intensity of feeling upon her face.

「いえ、いえ、旦那様。違います。あなたに対することではありません」女性の声だった。夫よりさらに青ざめ、おびえたバリモア夫人が、戸口に立っていた。ショールとスカートをまとった大きな体つきは、顔にあれほど激しい感情が出ていなければ、滑稽に見えたかもしれない。

"We have to go, Eliza. This is the end of it. You can pack our things," said the butler.

「われわれは出ていかなければならない、イライザ。これで終わりだ。荷物をまとめてくれ」と執事は言った。

"Oh, John, John, have I brought you to this? It is my doing, Sir Henry—all mine. He has done nothing except for my sake and because I asked him."

「ああ、ジョン、ジョン。私のせいで、こんなことになったの。私がしたことです、ヘンリー卿。すべて私が。夫は、私のために、私が頼んだから動いただけで、ほかには何もしておりません」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • horror-struck(ホラーストラック)… 恐怖に襲われた
  • intensity(インテンスィティー)… 激しさ・強さ
  • disgrace(ディスグレイス)… 不名誉・恥
  • thunder(サンダー)… (by thunderなどで)何と・一体・雷
  • ashamed(アシェイムド)… 恥じて・恥ずかしく思って
  • figure(フィギュア)… 姿・人影
  • butler(バトラー)… 執事
  • paler(ペイラー)… より青白い

次の場面:夫人の言葉 The Woman's Account

部屋へ来たバリモア夫人は、夫をかばうように話し始めている。ヘンリー卿とワトソンは、彼女が知る事情をまだ聞いていない。夜の灯について説明を待つところだ。窓辺の行動について尋ねてきた二人には、まだ執事夫妻の側から語られていない部分が残っている。