Scene 47 · Notes

解説 場面 47「耳にした音」

この場面の解説

ヘンリー卿は地元の人々があの声をどう呼ぶかを尋ねる。ためらっていたワトソンは、バスカヴィル家の犬の声と言われていると明かす。

表現・文法のポイント

My blood ran cold
強い恐怖で「ぞっとした」。実際の血液の温度を測った説明ではなく、相手の声の変化に恐怖を感じる表現。
Why should you mind
修辞疑問で、「そんなことを気にする必要はないでしょう」という意図。気にすべき理由を積極的に聞き出そうとしているのではない。

全文の対訳

My blood ran cold in my veins, for there was a break in his voice which told of the sudden horror which had seized him.

私の血は凍り付いた。彼の声の途切れに、突然襲った恐怖が表れていたからだ。

"What do they call this sound?" he asked.

「あの音を、何と呼んでいるんだ」と彼は尋ねた。

"Who?"

「誰がですか」

"The folk on the countryside."

「この土地の人たちだよ」

"Oh, they are ignorant people. Why should you mind what they call it?"

「ああ、あの人たちは無学です。あの人たちがどう呼ぶかなど、気になさることはないでしょう」

"Tell me, Watson. What do they say of it?"

「教えてくれ、ワトソン。何と言っているんだ」

I hesitated but could not escape the question.

私はためらったが、問いを避けられなかった。

"They say it is the cry of the Hound of the Baskervilles."

「バスカヴィル家の犬の声だと言っています」

He groaned and was silent for a few moments.

彼はうめき、しばらく黙っていた。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • countryside(カントリーサイド)… 地方一帯・田園地帯
  • hesitated(ヘズィテイティッド)… ためらった・迷った
  • ignorant(イグナラント)… 知らない・無知の
  • groaned(グロウンド)… うめいた
  • horror(ホラー)… 恐怖・恐ろしさ
  • seized(スィーズド)… つかまれた。be seized with で「(感情に)駆られる」
  • escape(イスケイプ)… 避ける・逃走・逃げること・逃げる
  • veins(ヴェインズ)… 血管・静脈(vein の複数形)

次の場面:音の方角 The Direction of the Sound

二人が耳にした音は、荒れ地のどちらから来たのだろうか。ヘンリー卿は遠くへ視線を向け、ワトソンに問いかけている。夜風の中で、聞いた印象を確かめ合う。目で確かめられる物とは違い、遠い声の方向は、風のある広い土地ではつかみにくいものである。