Scene 48 · Notes

解説 場面 48「音の方角」

この場面の解説

ヘンリー卿は声の方角を大沼だと考え、猟犬の声だったと改めて言う。ワトソンは以前、ステイプルトンが珍しい鳥かもしれないと説明したことを伝える。

表現・文法のポイント

rose and fell
ここでは音が大きくなったり小さくなったりすること。風に運ばれる声の聞こえ方を述べる。
need not fear
「恐れる必要はない」。ヘンリー卿は自分を子ども扱いせず、本当のことを言ってほしいとワトソンへ求める。

全文の対訳

"A hound it was," he said at last, "but it seemed to come from miles away, over yonder, I think."

「猟犬だったよ」と、ついに彼は言った。「だが、何マイルも先から、向こうの方から聞こえたように思う」

"It was hard to say whence it came."

「どこから聞こえたかは、言いにくいですね」

"It rose and fell with the wind. Isn't that the direction of the great Grimpen Mire?"

「風につれて強くなったり弱くなったりした。あれは、大きなグリンペンの大沼の方角じゃないか」

"Yes, it is."

「ええ、そうです」

"Well, it was up there. Come now, Watson, didn't you think yourself that it was the cry of a hound? I am not a child. You need not fear to speak the truth."

「なら、あっちだ。ねえ、ワトソン、きみ自身も猟犬の声だと思わなかったか。僕は子どもじゃない。本当のことを言うのを、恐れなくていいんだ」

"Stapleton was with me when I heard it last. He said that it might be the calling of a strange bird."

「前に聞いたときには、ステイプルトンが一緒でした。珍しい鳥の鳴き声かもしれないと、彼は言っていました」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • yonder(ヨンダー)… 向こうに・あそこに(古風)難
  • whence(ウェンス)… そこから(古風)・どこから難
  • direction(ディレクション)… 分野・方面、対象・方向・(推理の)向かう方向・結論の行く先・方角・指示
  • hound(ハウンド)… 猟犬
  • mire(マイアー)… 沼・ぬかるみ

次の場面:胸に残る不安 Uneasiness in the Dark

ヘンリー卿の気持ちは、聞こえた音から離れない。以前に聞いた物語と目の前の荒れ地が、闇の中で重なって感じられる。ワトソンは友人の言葉を受け止めようとしている。伝説を遠くで聞いたころと違い、いまはその土地の夜の中に、自分自身が立っていると感じられる。