Scene 65 · Notes

解説 場面 65「名を尋ねる」

この場面の解説

相手の名は分からないが、頭文字はL・Lだった。クーム・トレーシーから女性の筆跡で届いた手紙が、亡くなった朝の唯一の郵便だったとバリモアは語る。

表現・文法のポイント

the initials
「名前の頭文字」。L・Lという二文字だけが、差出人を捜すための手がかりになる。
a great many letters
「大量の手紙」。慈善活動に熱心だったため、困った人々からの頼みが多かった事情を説明する。

全文の対訳

"To meet a woman! He?"

「女性と会うためだと。伯父がか」

"Yes, sir."

「はい、旦那様」

"And the woman's name?"

「その女性の名は」

"I can't give you the name, sir, but I can give you the initials. Her initials were L. L."

「お名前は申し上げられませんが、頭文字なら分かります。L・Lでございました」

"How do you know this, Barrymore?"

「どうして分かった、バリモア」

"Well, Sir Henry, your uncle had a letter that morning. He had usually a great many letters, for he was a public man and well known for his kind heart, so that everyone who was in trouble was glad to turn to him. But that morning, as it chanced, there was only this one letter, so I took the more notice of it. It was from Coombe Tracey, and it was addressed in a woman's hand."

「ヘンリー卿、あの朝、叔父上に一通の手紙が届きました。叔父上は公のために尽くし、心の優しい方として知られておりましたので、困った者は誰もが喜んで頼り、いつも多くの手紙を受け取っておられました。ところがあの朝は、たまたまその一通しかなかったため、いつもよりよく覚えております。クーム・トレーシーから、女性の筆跡で宛名が書かれていました」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • addressed(アドレスト)… 宛名を書いた・宛てた
  • initials(イニシャルズ)… 頭文字・イニシャル(initial の複数形)
  • chanced(チャーンスト)… たまたま〜した
  • l(エル)… アルファベットのL

次の場面:聞き覚えをたどる Recalling a Letter

バリモアが話すのは、チャールズ卿に届いた手紙のことだ。ヘンリー卿とワトソンは、その内容をまだ十分には知らない。執事が何を見たのか、説明を待つところだ。ワトソン自身が見ていない物については、いつ、どこで、誰が見たのかを、分けて聞く必要がある。