Scene 77 · Notes

解説 場面 77「窓の方へ」

この場面の解説

ワトソンはヘンリー卿を守るために来たと説明し、執事へ率直な話を求める。バリモアは荒れ地の周囲で黒い悪事が進み、主人がロンドンへ戻るべきだと訴える。

表現・文法のポイント

no interest in this matter
「この件で私的な利害はない」。金銭や自分の利益ではなく、主人を助ける目的だけで動くと示す。
black villainy brewing
「黒い悪事が企まれている」。brewingは飲み物の醸造ではなく、よからぬことが起ころうとしている比喩。

全文の対訳

"Now, listen to me, Barrymore! I have no interest in this matter but that of your master. I have come here with no object except to help him. Tell me, frankly, what it is that you don't like."

「よく聞いてくれ、バリモア。私はこの件で、きみの主人のため以外に利害はない。彼を助けることだけを目的に、ここへ来た。何が気に入らないのか、率直に話してくれ」

Barrymore hesitated for a moment, as if he regretted his outburst or found it difficult to express his own feelings in words.

バリモアはしばらくためらった。先ほど声を荒らげたことを後悔したのか、自分の感じていることを言葉にするのが難しかったのかもしれない。

"It's all these goings-on, sir," he cried at last, waving his hand towards the rain-lashed window which faced the moor. "There's foul play somewhere, and there's black villainy brewing, to that I'll swear! Very glad I should be, sir, to see Sir Henry on his way back to London again!"

「こうした出来事が、すべてでございます」と彼はついに叫び、荒れ地に面して雨に打たれる窓へ手を振った。「どこかで何かよからぬことが行われ、黒い悪事が企まれております。これは誓って申し上げます。ヘンリー卿がまたロンドンへお戻りになるところを見られれば、どれほど嬉しいことでしょう」

"But what is it that alarms you?"

「だが、何がそれほど心配なのだ」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • goings-on(ゴウイングズオン)… 一連の出来事・騒ぎ難
  • rain-lashed(レインラッシュト)… 雨に激しく打たれた難
  • foul(ファウル)… 忌まわしい・汚らわしい・ぶつかって・衝突して・汚い・不正な難
  • villainy(ヴィラニー)… 悪事・極悪非道難
  • hesitated(ヘズィテイティッド)… ためらった・迷った
  • regretted(リグレッティッド)… 後悔した(regret の過去・過去分詞)
  • somewhere(サムウェア)… どこかに・どこかへ
  • outburst(アウトバースト)… 感情の爆発・激発

次の場面:執事の思い The Butler's Uneasiness

バリモアには、館や荒れ地をめぐる気がかりがあるらしい。ワトソンが尋ねると、彼は胸の内を言葉にしようとする。長年この家に仕えた男の話を聞く場面だ。先代から仕えてきた人にとって、館の出来事は、よそから来た医師とはまた違う重さを持つだろう。