Scene 85 · Notes

解説 場面 85「質問の理由」

この場面の解説

質問の目的を問われ、ワトソンは公の醜聞を避けるためだと答える。追及を受けたローラは、チャールズ卿へ一、二度礼状を書いたことを認める。

表現・文法のポイント

pass outside our control
「われわれの手を離れる」。事態が公になり、当事者だけでは扱えなくなることを表す。
acknowledge his delicacy
ここでのdelicacyは繊細さ一般より、相手の事情へ配慮する思いやり。援助への礼を述べたという説明だ。

全文の対訳

The lady looked quickly up with an angry gleam in her hazel eyes.

彼女は榛色の目に怒りの光を浮かべ、素早く顔を上げた。

"What is the object of these questions?" she asked sharply.

「こうした質問をなさる目的は何ですか」と彼女は鋭く尋ねた。

"The object is to avoid a public scandal. It is better that I should ask them here than that the matter should pass outside our control."

「公の醜聞を避けることが目的です。事態がわれわれの手を離れるより、ここで私がお尋ねする方がよいでしょう」

She was silent and her face was still very pale. At last she looked up with something reckless and defiant in her manner.

彼女は黙り込み、顔はひどく青ざめたままだった。やがて、捨て鉢とも挑戦的とも見える態度で顔を上げた。

"Well, I'll answer," she said. "What are your questions?"

「分かりました。お答えします」と彼女は言った。「何をお聞きになりたいのですか」

"Did you correspond with Sir Charles?"

「チャールズ卿と手紙のやり取りをしていましたか」

"I certainly wrote to him once or twice to acknowledge his delicacy and his generosity."

「あの方の思いやりと寛大さにお礼を申し上げるため、一、二度お手紙を書いたことは確かです」

"Have you the dates of those letters?"

「その手紙の日付は分かりますか」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • acknowledge(アクノリッジ)… 認める
  • correspond(コレスポンド)… 文通する・一致する
  • generosity(ジェナロスィティー)… 寛大さ・気前のよさ
  • reckless(レックレス)… 向こう見ずな・無謀な
  • delicacy(デリカスィー)… 繊細さ・微妙さ・扱いにくさ・珍味
  • quickly(クウィックリー)… 素早く・早く
  • sharply(シャープリー)… 鋭く・きびしく・急に
  • scandal(スキャンダル)… 醜聞・不祥事

次の場面:会った日のこと About Their Meetings

ワトソンは、夫人とチャールズ卿の付き合いを確かめようとしている。会った回数や手紙のことは、どこまで本人の記憶に残っているのか。順を追った質問が続く。少ない面会や手紙の記憶でも、いつのことで、何のためだったかを、分けて聞く必要がある。