Scene 36 · Notes

解説 場面 36「月曜までに」

この場面の解説

考え込んだホームズは、助手が今も店にいて、ウィルソンの留守中も店をきちんと見ていることを確かめる。そして、今日は土曜日だから月曜までには結論を出したいと告げ、ウィルソンを帰す。

表現・文法のポイント

has your business been attended to in your absence?
attend to ~ は「~の世話をする、~を処理する」。ここは受け身の現在完了で「留守のあいだ、店の仕事はちゃんと片づけられているか」という意味。in one's absence は「~の不在中に」。
There's never very much to do of a morning.
of a morning は「朝のうちは(いつも)」という古風な言い方で、習慣的なことに使う。今なら in the morning と言う。of an evening「晩には」も同じ形。質屋の仕事は晩に多いという、前の話とつながっている。
That will do
「それで十分だ、もう結構」。do はここで「間に合う、用が足りる」という意味。話を切り上げるときの決まり文句で、子どもをたしなめる「もういいかげんにしなさい」の意味にもなる。

全文の対訳

"Hum!" said Holmes, sinking back in deep thought. "He is still with you?"

「ふむ!」と言うと、ホームズは深く考え込みながら、椅子に身を沈めた。「彼は今もあなたのところに?」

"Oh, yes, sir; I have only just left him."

「ええ、おりますとも、ついさっき店で別れてきたばかりでして」

"And has your business been attended to in your absence?"

「それで、あなたの留守中、店のほうはちゃんと回っているのかね?」

"Nothing to complain of, sir. There's never very much to do of a morning."

「文句のつけようもありませんよ。朝のうちは、もともとたいした仕事もありませんしね」

"That will do, Mr. Wilson. I shall be happy to give you an opinion upon the subject in the course of a day or two. To-day is Saturday, and I hope that by Monday we may come to a conclusion."

「もう結構だ、ウィルソンさん。この件については、一両日のうちに私の考えをお伝えしよう。今日は土曜日だから、月曜までには結論が出せると思う」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • conclusion(カンクルージョン)… 決着・結末・結論
  • attended(アテンディッド)… (attend to で)処理された・世話をされた・出席した
  • sinking(スィンキング)… (椅子に)沈み込む(sink の -ing 形)・沈むこと
  • absence(アブセンス)… 不在・留守・欠席
  • subject(サブジェクト)… 話題・題材・科目・主語
  • upon(アポン)… 〜の上に(on のやや改まった形)
  • hum(ハム)… ふむ(考え込むときの声)・鼻歌を歌う・ブーンという音

次は第 3 章「コバーグ・スクエア」

依頼人が帰ると、ホームズはパイプをくゆらせて黙りこむ。やがて立ち上がり、ワトソンを連れて質屋のあるコバーグ・スクエアへ出かける。ホームズはそこで奇妙なふるまいを見せ、午後は音楽会で過ごす。そして別れぎわ、今夜は危険が待っていると告げる。