Scene 40 · Notes

解説 場面 40「ミルクの皿」

この場面の解説

ホームズはチーターも大きな猫だが、ミルクの皿一枚では足りないだろうと皮肉を言い、木の椅子の座面を調べて何かを確かめる。そのあと、ベッドの隅にかかった犬用の鞭に目をとめ、それが輪の形に結ばれているのに気づく。

表現・文法のポイント

a saucer of milk does not go very far in satisfying its wants
go far は「役に立つ、足りる」。does not go very far in 〜ing で「〜するにはあまり足しにならない」。wants はここでは古い用法で「必要なもの、欲求」。
I daresay
「たぶん〜だろう」と、断定をやわらげて言い添える古風な表現。dare say をつなげて一語にした形で、文末に置くことが多い。ホームズの控えめな、ちょっと皮肉な言い方だ。
There is one point which I should wish to determine.
should wish to 〜 は would like to 〜 より改まった英国風の言い方。determine は「確かめる、決める」。which は point を説明する関係代名詞で、目的語になっている。
tied so as to make a loop of whipcord
so as to 〜 は「〜するように」という目的を表す。make a loop は「輪を作る」。tied は過去分詞で、「輪になるように結ばれていた」と鞭の状態を描く。

全文の対訳

"Ah, yes, of course! Well, a cheetah is just a big cat, and yet a saucer of milk does not go very far in satisfying its wants, I daresay. There is one point which I should wish to determine." He squatted down in front of the wooden chair and examined the seat of it with the greatest attention.

「ああ、そうか、もちろんだ!まあ、チーターは大きな猫にすぎないが、それでもミルクの皿一枚では、その欲求を満たすのにあまり足しにならないだろうね。一つだけ、確かめておきたい点がある」彼は木の椅子の前にしゃがみ込み、座面をこの上なく注意深く調べた。

"Thank you. That is quite settled," said he, rising and putting his lens in his pocket. "Hullo! Here is something interesting!"

「ありがとう。これで確かになった」と彼は立ち上がり、拡大鏡をポケットに収めて言った。「おや!これは面白いものがあるぞ!」

The object which had caught his eye was a small dog lash hung on one corner of the bed. The lash, however, was curled upon itself and tied so as to make a loop of whipcord.

彼の目を引いたのは、ベッドの片隅にかけられた小さな犬用の鞭だった。ところがその鞭は、自分自身に巻きつけて結ばれ、鞭縄の輪の形になっていた。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • daresay(デアセイ)… たぶん〜だろうと思う(I daresay の形で)難
  • squatted(スクウォッティッド)… しゃがみ込んだ難
  • hullo(ハロウ)… おや・やあ(hello の古風な形)難
  • lash(ラッシュ)… 鞭・(鞭の)革ひも部分・鞭打つ難
  • whipcord(ウィップコード)… 鞭ひも・細くて丈夫なより糸難
  • satisfying(サティスファイイング)… 満たすこと(満たしている)・満足のいく
  • determine(ディターミン)… 確かめる・決定する・突き止める
  • examined(イグザミンド)… 調べた・診察した

次の場面:輪にした鞭 The Looped Lash

ベッドの隅にかかった、輪の形に結ばれた犬用の鞭を前に、ホームズはワトソンの意見を求める。ワトソンの答えは当たり障りのないものだった。やがてホームズは調べを終えたと告げ、一同は部屋を出て屋敷の芝生に向かう。