
四月の早朝、黒い服に身を包んだ若い女性が、恐怖に震えながらベイカー街を訪ねてくる。二年前、姉は結婚を目前にして、謎の言葉を残して息を引き取った。「まだらの紐」とは何なのか。そしていま、同じ夜の口笛が、彼女の耳にも聞こえはじめていた。

一八八三年四月の朝、ホームズに起こされたワトソンの前に、黒いヴェールの若い女性が座っていた。ヘレン・ストーナーは、乱暴な義父と暮らす古い屋敷のこと、そして二年前に姉が迎えた奇妙な最期を語りはじめる。夜ごとの口笛と、姉が最後に叫んだ言葉の意味とは。

依頼人が帰ってまもなく、戸口に大男が現れる。ストーク・モランのグリムズビー・ロイロット博士だった。脅しの言葉を残して去った博士をよそに、ホームズは遺言を調べに出かけ、午後にはワトソンを連れて汽車でサリー州へ向かう。

灰色の石造りの屋敷に着くと、ホームズは窓と鎧戸から調べはじめる。修繕中の壁、姉が亡くなった部屋、義父の部屋。ありふれて見える部屋の中で、ホームズはいくつかの奇妙なものに目をとめる。そしてヘレンに、今夜のための指示を与える。

村の宿に部屋を取ったホームズとワトソンは、屋敷の窓に合図の明かりが灯るのを待つ。明かりを消した部屋で、二人は息をひそめて長い夜を過ごすことになる。ホームズは何を待っているのか。そして「まだらの紐」の正体とは。