Scene 09 · Notes

解説 場面 9「帰るために」

この場面の解説

ホイットニーは家へ帰ることには同意するが、滞在時間をまだ取り違えている。ワトソンに手を借り、勘定も調べてほしいと頼む。

表現・文法のポイント

off colour
ここでは、具合が悪い、いつも通りではないという慣用的な意味。色そのものが変わったという話ではない。次の文で自分では何もできないと述べることからも、体調と判断力の不調を訴えていると分かる。
I must owe something
mustは義務よりも、きっといくらか借りがあるはずだという推量を表す。店での支払い額を本人が把握できておらず、ワトソンに調べてほしいと続く。somethingを、具体的な金額へ勝手に置き換えない。

全文の対訳

"So I am. But you've got mixed, Watson, for I have only been here a few hours, three pipes, four pipes—I forget how many. But I'll go home with you. I wouldn't frighten Kate—poor little Kate. Give me your hand! Have you a cab?"

「思っているさ。でも、勘違いしているのはきみだよ、ワトソン。ここへ来てほんの数時間、三服か四服か、何服かは忘れたけれどね。でも、きみと一緒に帰るよ。ケイトを、かわいそうなケイトを心配させたくはない。手を貸してくれ。馬車はあるか」

"Yes, I have one waiting."

「ああ、待たせてある」

"Then I shall go in it. But I must owe something. Find what I owe, Watson. I am all off colour. I can do nothing for myself."

「なら、それで帰ろう。でも、いくらか払わなくちゃならないはずだ。いくらか聞いてくれ、ワトソン。まったく調子が悪いんだ。自分では何もできないよ」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • frighten(フライトゥン)… 怖がらせる・驚かせる
  • pipes(パイプス)… パイプ・管(pipeの複数)
  • cab(キャブ)… 辻馬車・タクシー
  • owe(オウ)… 負う・借りがある

次の場面:火鉢のそばで Beside the Brazier

ホイットニーは、ワトソンと一緒に帰るつもりになっている。ただ、自分では勘定を済ませることも難しいらしく、支払いを頼んでくる。ワトソンは店の者を探して狭い通路へ進む。寝台にはまだ人々が横たわり、部屋の奥には火鉢のそばに座る年老いた男がいる。