Scene 34 · Notes

解説 場面 34「率直な返事」

この場面の解説

ホームズは氏が月曜に亡くなったと考えているが、殺害とまでは断定しない。すると夫人は、今日届いた夫の手紙を示し、説明を求める。

表現・文法のポイント

I don't say that
そこまでは言っていない、と直前の強い言い換えを制限する返事。ホームズは死んだと考えるものの、夫人の殺されたのかという問いには断定を避ける。後のPerhapsも、可能性を認める範囲にとどまる。
as if he had been galvanised
電気刺激を受けたように、という比喩で、突然椅子から跳ね上がる反応を描く。実際に電気を流されたという出来事ではない。夫人の手紙の話が、それほど予期しない知らせだったことを示す。

全文の対訳

"Murdered?"

「殺されたのですか」

"I don't say that. Perhaps."

「そうとは言っていません。その可能性はあります」

"And on what day did he meet his death?"

「では、いつ亡くなったのでしょう」

"On Monday."

「月曜日です」

"Then perhaps, Mr. Holmes, you will be good enough to explain how it is that I have received a letter from him to-day."

「それなら、ホームズさん、今日あの人から手紙が届いたのはどういうわけか、ご説明いただけますか」

Sherlock Holmes sprang out of his chair as if he had been galvanised.

シャーロック・ホームズは、電気を流されたように椅子から跳ね上がった。

"What!" he roared.

「なんですって」と大声を上げた。

"Yes, to-day." She stood smiling, holding up a little slip of paper in the air.

「ええ、今日です」夫人は笑みを浮かべ、小さな紙切れを空中に掲げて立っていた。

"May I see it?"

「拝見しても」

"Certainly."

「もちろんです」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • galvanised(ガルヴァナイズド)… 電気で刺激された・奮い立たされた
  • murdered(マーダード)… 殺された・殺した
  • sprang(スプラング)… 跳ね起きた・跳び出した・(sprang fromで)〜から生じた・由来した・跳び上がった・跳ねた(spring の過去形)
  • roared(ロード)… 大声を上げた・ほえた
  • slip(スリップ)… 小さな紙片・新聞の切り抜き・紙片・そっと入れる・滑る・すべらせる・こっそり動く・小さな紙(a slip of paper)

次の場面:卓上の封筒 The Envelope on the Table

夫人は、夫から今日届いたという手紙を持っていた。思いがけない話にホームズは席を立ち、その紙を見せてほしいと求める。失踪の経緯を考えるうえで、確かめるべき新しい品である。夫人が差し出すのを待ち、二人は卓のそばへ身を寄せようとしている。