Scene 37 · Notes

解説 場面 37「手紙の言葉」

この場面の解説

手紙は夫人を安心させ、辛抱して待つよう求めている。ホームズは紙や投函、封の状態を調べ、危険が去ったとは言えないまでも希望が見えたと話す。

表現・文法のポイント

All will come well
すべてうまくいくという見通しを伝える表現。夫人へ書かれた短い手紙の言葉であり、語り手が事件の解決を保証した文ではない。誰の発言かを、手紙の内側の引用と外側の会話で区別する。
the clouds lighten
雲が薄くなるという比喩で、状況に希望が見え始めたと述べる。実際の天気の説明ではない。ホームズは直後に危険が終わったとは断言できないとも述べており、完全に安心した返事にはしない。

全文の対訳

"'Dearest do not be frightened. All will come well. There is a huge error which it may take some little time to rectify. Wait in patience.—NEVILLE.' Written in pencil upon the fly-leaf of a book, octavo size, no water-mark. Hum! Posted to-day in Gravesend by a man with a dirty thumb. Ha! And the flap has been gummed, if I am not very much in error, by a person who had been chewing tobacco. And you have no doubt that it is your husband's hand, madam?"

「『愛する君へ、怖がらないでくれ。すべてうまくいく。大きな間違いがあるが、正すには少し時間がかかるかもしれない。辛抱して待っていてくれ。ネヴィル』鉛筆書きで、八つ折り判の本の見返し、透かし模様はなし。ふむ。今日グレーヴズエンドで、親指の汚れた男が投函。なるほど。封の糊をなめたのは、私が大きく間違っていなければ、かみたばこをかんでいた人物です。ご主人の筆跡だという点に疑いはないのですね、奥様」

"None. Neville wrote those words."

「ありません。ネヴィルが書いた言葉です」

"And they were posted to-day at Gravesend. Well, Mrs. St. Clair, the clouds lighten, though I should not venture to say that the danger is over."

「そして、今日グレーヴズエンドで投函された。セントクレア夫人、雲は薄くなってきました。とはいえ危険が去ったとまで申し上げるつもりはありません」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • frightened(フライトゥンド)… おびえた
  • water-mark(ウォーターマーク)… 紙の透かし模様
  • patience(ペイシェンス)… 辛抱・忍耐
  • fly-leaf(フライリーフ)… 本の見返しの白紙
  • dearest(ディアレスト)… 最愛の・愛する人
  • rectify(レクティファイ)… 正す・是正する
  • chewing(チューイング)… かんでいる・かむこと
  • tobacco(タバコウ)… 煙草

次の場面:確かめたいこと What the Letter Can Tell

手紙には、心配せずに待つよう求める短い言葉が記されていた。夫人は夫の筆跡だと確信しているが、ホームズは届いた経緯まで考え合わせようとする。今ある証拠で、どこまで言えるのか。希望を抱く夫人と、慎重に話すホームズとの間で、やり取りが続く。