
クリスマスの二日後、ホームズの部屋には、くたびれた古い帽子が一つ置かれていた。夜の通りの騒ぎのあと、持ち主が落としていったものだ。帽子から持ち主の暮らしを読み解いていくホームズ。ところが、帽子と一緒に拾われたガチョウから、思いもよらないものが見つかる。

クリスマス明けの朝、ワトソンが訪ねると、ホームズは古い帽子を眺めていた。守衛のピーターソンが、夜の通りの騒ぎのあとに拾ってきたものだ。持ち主の名前は分からない。ホームズは帽子の大きさや傷み、埃や染みから、持ち主の人となりを読み解いていく。

帽子の話が一段落したところへ、守衛のピーターソンが顔色を変えて駆け込んでくる。拾ったガチョウのことで、思いもよらない知らせを持ってきたのだ。ホームズはすぐに事の重大さを悟り、帽子とガチョウの持ち主を探すため、新聞に広告を出すことにする。

夕方、広告を見たヘンリー・ベイカーがベイカー街に現れる。帽子を受け取った彼の話から、ガチョウの出どころをたどる道が開ける。ホームズとワトソンは凍てつく夜のロンドンへ出て、酒場からコヴェント・ガーデンの市場へと、ガチョウの足取りを追いかける。

市場の屋台で、小柄な男が商人に食い下がっている。男もまた、あるガチョウの行方を必死に探しているらしい。ホームズは男に声をかけ、馬車で暖かなベイカー街の部屋へ連れて帰る。暖炉の火が燃える居間で、ホームズは見知らぬ客と向き合う。