Scene 23 · Notes

解説 場面 23「娘のためらい」

この場面の解説

アリスは、父マッカーシーが二人の結婚を望み、それが口論の理由だと考えている。ジェームズはまだ結婚を望まず、アリスの父も反対で、賛成していたのは父マッカーシーだけだったという。

表現・文法のポイント

loved each other as brother and sister
as brother and sisterは、愛情のあり方を兄妹になぞらえる表現。二人が実際の兄妹だと言っているのではない。アリスは幼い頃から親しい二人の関係を説明しつつ、結婚の話について言葉を続けている。
No one but Mr. McCarthy
no one butは「〜以外は誰もいない」。butはここでは逆接の「しかし」ではなく、例外を示す。直前の返答と合わせ、結婚に賛成していた人物を父マッカーシー一人に限っている。

全文の対訳

"It is no time for me to hide anything. James and his father had many disagreements about me. Mr. McCarthy was very anxious that there should be a marriage between us. James and I have always loved each other as brother and sister; but of course he is young and has seen very little of life yet, and—and—well, he naturally did not wish to do anything like that yet. So there were quarrels, and this, I am sure, was one of them."

「何かを隠している場合ではありません。ジェームズとお父様は、私のことで何度も意見が合いませんでした。マッカーシーさんは、私たちを結婚させたいと、とても強く望んでいらしたのです。ジェームズと私は、ずっと兄と妹のように愛し合ってきました。でも、もちろん彼はまだ若く、世の中もほとんど知りませんし、それに、それに、その、まだそんなことはしたくないと思うのも、当然でした。それで口論が起きたのです。今度もきっと、その一つだったと思います」

"And your father?" asked Holmes. "Was he in favour of such a union?"

「では、あなたのお父様は」とホームズは尋ねた。「その結婚には賛成だったのですか」

"No, he was averse to it also. No one but Mr. McCarthy was in favour of it." A quick blush passed over her fresh young face as Holmes shot one of his keen, questioning glances at her.

「いいえ、父も反対でした。賛成していたのは、マッカーシーさんだけです」ホームズが鋭く問いかけるような視線を一つ投げると、彼女の若々しくみずみずしい顔に、さっと赤みが差した。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • averse(アヴァース)… 嫌がって・反対で(be averse to 〜)難
  • disagreements(ディサグリーメンツ)… 意見の相違・不和(複数)
  • quarrels(クウォレルズ)… 口論・喧嘩
  • anxious(アンクシャス)… 切に望んで・心配して
  • glances(グラーンスィズ)… ちらりと見ること・視線(glance の複数形)
  • favour(フェイヴァー)… (in one's favourで)〜に有利に・〜の味方となって・(in favour ofで)〜に賛成して・〜を支持して・ひいき・好意(英国つづり)。in favour of で「〜のために・〜に有利に」
  • union(ユーニオン)… 結婚・結び付き・組合
  • blush(ブラッシュ)… 顔に差す赤み・赤面

次の場面:父への面会 A Visit to Her Father

アリスの話を聞いたホームズは、翌日、彼女の父に会えないかと尋ねる。だが、面会には医師の判断が関わっているらしい。娘が語る父の近頃の様子を、ホームズは短い言葉を差し挟みながら確かめる。翌朝の予定を決める前に、ホームズはもう一つだけ問いを向ける。