Scene 148 · Notes

解説 場面 148「小道での会話」

この場面の解説

女は今夜にも去るよう訴えるが、兄が近づくと口止めしてランの話へ切り替える。戻ったステイプルトンのあいさつは、必ずしも親しげでない。

表現・文法のポイント

at all costs
どんな代償を払っても・何が何でも。危険を避けるよう求める強さを表す。
Not a word of what I have said
自分の言ったことを一言も話さないように、という省略された命令。その直後、無関係な植物の話へ急に変える。

全文の対訳

"Man, man!" she cried. "Can you not tell when a warning is for your own good? Go back to London! Start tonight! Get away from this place at all costs! Hush, my brother is coming! Not a word of what I have said. Would you mind getting that orchid for me among the mare's-tails yonder? We are very rich in orchids on the moor, though, of course, you are rather late to see the beauties of the place."

「あなた、どうして」と彼女は叫んだ。「ご自身のための警告だと、お分かりにならないのですか。ロンドンへお戻りください。今夜、発ってください。何が何でも、この場所から離れてください。静かに、兄が来ます。言ったことは、一言も口になさらないで。あそこのスギナの間のランを、取ってくださいますか。荒れ地はランがとても豊かですが、もちろん、この土地の美しさを見るには、少し遅い時季ですね」

Stapleton had abandoned the chase and came back to us breathing hard and flushed with his exertions.

ステイプルトンは追跡をやめ、激しい動きで息を弾ませ、顔を赤くして戻ってきた。

"Halloa, Beryl!" said he, and it seemed to me that the tone of his greeting was not altogether a cordial one.

「やあ、ベリル」と彼は言ったが、その声は必ずしも親しげではないように思えた。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • yonder(ヨンダー)… 向こうに・あそこに(古風)難
  • beryl(ベリル)… ベリル(女性名)・緑柱石(ベリル・宝石の一種)難
  • mare's-tails(メアズテイルズ)… スギナ・トクサ類の植物
  • altogether(オールトゥゲザー)… 全体として・結局・まったく
  • abandoned(アバンダンド)… 見捨てられた・投げ出された
  • breathing(ブリーズィング)… 息をしている・呼吸
  • exertions(イグザーションズ)… 激しい運動・努力
  • beauties(ビューティーズ)… 美しいもの・見どころ・見事なもの(ここでは美しい馬たち)・美人たち

次の場面:名を確かめる Making the Introductions

虫を追っていたステイプルトンが戻り、小道には三人がそろっている。妹がワトソンに何を話していたかを、兄はまだ知らない。まずは荒れ地の花や、先ほどの追跡についての言葉が交わされる。紹介の済んでいない部分を確かめる会話へ進もうとしている。