Scene 15 · Notes

解説 場面 15「相談の入口」

この場面の解説

二番目の専門家と呼ばれたホームズは、一番は誰かと険しい声で聞く。モーティマーは科学的な評価と実務の力量を区別し、ホームズは本題を率直に話すよう求める。

表現・文法のポイント

you stand alone
モーティマーがホームズの実務能力を褒める言葉で、「並ぶ者がない」という意味。孤独であるとか、協力者がいないという説明ではない。
without more ado
「これ以上前置きや手間をかけずに」。ホームズは順位の議論を打ち切り、助けを必要としている問題の具体的な中身を聞こうとしている。

全文の対訳

"Indeed, sir! May I inquire who has the honour to be the first?" asked Holmes with some asperity.

「ほう、それは。一番の名誉にあずかるのはどなたか、伺ってもよろしいでしょうか」とホームズはやや険しい調子で尋ねた。

"To the man of precisely scientific mind the work of Monsieur Bertillon must always appeal strongly."

「厳密に科学的な考え方をする人間なら、ベルティヨン氏の仕事には常に強く引かれるはずです」

"Then had you not better consult him?"

「では、その方に相談なさった方がよいのでは?」

"I said, sir, to the precisely scientific mind. But as a practical man of affairs it is acknowledged that you stand alone. I trust, sir, that I have not inadvertently—"

「厳密に科学的な考え方をする人間にとっては、と申し上げたのです。ですが、実際の問題を扱う方としては、あなたに並ぶ者がないのは広く認められています。うっかり失礼を申し上げたのでなければよいのですが――」

"Just a little," said Holmes. "I think, Dr. Mortimer, you would do wisely if without more ado you would kindly tell me plainly what the exact nature of the problem is in which you demand my assistance."

「ほんの少しね」とホームズは言った。「モーティマー医師、これ以上前置きをせず、私の助けを求めておられる問題が具体的にどんなものか、率直に話してくださるのがよいと思います」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • asperity(アスペリティー)… とげとげしさ・険しい調子難
  • monsieur(ムスィアー)… ムッシュー・フランス語で男性への敬称難
  • inadvertently(インアドヴァートゥントリー)… うっかり・不注意に難
  • acknowledged(アクノリッジド)… 認められた・認めた
  • assistance(アスィスタンス)… 助け・手助け
  • precisely(プリサイスリー)… 厳密に・正確に・その通り・正確に
  • practical(プラクティカル)… 実務にたけた・実際的な・悪ふざけの(practical jokeで)・実際的な・実際的な・実際の
  • inquire(インクワイア)… 尋ねる・問い合わせる

次は第 2 章「バスカヴィル家の呪い」

ベイカー街を訪れたモーティマー医師は、相談に関わる資料を携えている。用件を尋ねられた彼は、まず胸元にしまった紙について話そうとしている。ホームズとワトソンは、まだその内容を読んでいない。朝の居間で、客が示すものを確かめる会話が続こうとしている。