Scene 168 · Notes

解説 場面 168「順序をたどる」

この場面の解説

ホームズは彼女を信じると言い、自分から事件の流れを確認する。ステイプルトンは手紙を口述し、離婚費用の援助を求めさせた後、面会へ行かないよう説得していた。

表現・文法のポイント

if I make any material mistake
materialはここでは「重要な」。事件の結論に影響する間違いを指す。
devote his last penny
「最後の一ペニーまで捧げる」。彼女を信じさせた大げさな愛情表現だ。

全文の対訳

"I entirely believe you, madam," said Sherlock Holmes. "The recital of these events must be very painful to you, and perhaps it will make it easier if I tell you what occurred, and you can check me if I make any material mistake. The sending of this letter was suggested to you by Stapleton?"

「完全に信じます、奥様」とシャーロック・ホームズは言った。「これらの出来事を話すのは、さぞおつらいでしょう。お差し支えがなければ私から起きたことをお話しし、重要な間違いがあればあなたに訂正していただくほうが、少しは楽になるかもしれません。この手紙を出すことを勧めたのは、ステイプルトンですね」

"He dictated it."

「彼が文面を口述しました」

"I presume that the reason he gave was that you would receive help from Sir Charles for the legal expenses connected with your divorce?"

「彼が説明した理由は、離婚に伴う法律費用をサー・チャールズに援助してもらうため、ということだったのではありませんか」

"Exactly."

「そのとおりです」

"And then after you had sent the letter he dissuaded you from keeping the appointment?"

「そして手紙を出した後、彼は約束の場所へ行かないよう説得した」

"He told me that it would hurt his self-respect that any other man should find the money for such an object, and that though he was a poor man himself he would devote his last penny to removing the obstacles which divided us."

「そんな目的のために別の男が金を出すのは自尊心が傷つく、自分は貧しいが、二人を隔てる障害を取り除くためなら最後の一ペニーまで捧げると言いました」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • recital(リサイタル)… 語り・詳細な説明難
  • dissuaded(ディスウェイディド)… 思いとどまらせた・説得してやめさせた難
  • self-respect(セルフリスペクト)… 自尊心
  • appointment(アポイントメント)… 面会の約束
  • suggested(サジェスティッド)… (印象を)感じさせた・提案した
  • connected(コネクティッド)… 結びついた・関係のある・つながった
  • obstacles(オブスタクルズ)… 障害(obstacleの複数)
  • entirely(エンタイアリー)… すっかり・完全に

次の場面:その後のこと What Followed

手紙を出したあとの出来事について、ホームズは夫人に尋ねる。本人が何を知り、どう振る舞ったかを聞く必要がある。事務室の会話は、時間の順に進み続ける。その場にいなかった二人には、本人がいつ何を知ったかを、言葉を交わして確かめる必要がある。