Scene 88 · Notes

解説 場面 88「書いた言葉について」

この場面の解説

ローラは、燃やした手紙を読まれたことに衝撃を受ける。やがて自分が書いたと認め、チャールズ卿から援助を得るため直接会おうとしたのだと一気に打ち明ける。

表現・文法のポイント

do Sir Charles an injustice
「チャールズ卿を不当に責める」。故人は約束どおり手紙を燃やしたので、秘密を漏らしたわけではないと弁護している。
pouring out her soul
「心の内を一気に吐き出す」。魂を物として注ぐのではなく、抑えていた思いを激しく語る比喩。

全文の対訳

"Is there no such thing as a gentleman?" she gasped.

「紳士というものは、もうこの世にいないのですか」と彼女は息を詰まらせた。

"You do Sir Charles an injustice. He did burn the letter. But sometimes a letter may be legible even when burned. You acknowledge now that you wrote it?"

「あなたはチャールズ卿に不当なことを言っています。あの方は手紙を燃やしました。しかし、手紙は燃やされても読めることがあります。いまは、あなたが書いたと認めますね」

"Yes, I did write it," she cried, pouring out her soul in a torrent of words. "I did write it. Why should I deny it? I have no reason to be ashamed of it. I wished him to help me. I believed that if I had an interview I could gain his help, so I asked him to meet me."

「ええ、私が書きました」と彼女は叫び、せきを切ったように心の内を言葉にした。「確かに私が書きました。なぜ否定しなければならないのです。恥じる理由などありません。あの方に助けていただきたかったのです。直接お会いできれば援助を得られると思い、会ってくださるようお願いしました」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • legible(レジブル)… 読み取れる・判読できる難
  • acknowledge(アクノリッジ)… 認める
  • injustice(インジャスティス)… 不当・不公平
  • pouring(ポーリング)… 一気に吐露している・(汗・水などが)流れ落ちている・注いでいる・(雨が)激しく降っている
  • torrent(トレント)… 奔流
  • ashamed(アシェイムド)… 恥じて・恥ずかしく思って
  • gasped(ギャスプト)… はっと息をのんだ・あえいだ
  • soul(ソウル)… 魂

次の場面:約束の時刻 The Time of the Appointment

手紙で求めた面会について、ワトソンは時間と場所を尋ねる。チャールズ卿がその場にいた事情を知るためだ。事務室でのやり取りは、細かな確認へ進もうとしている。約束の内容を知ることは、その晩の庭について聞いてきた話を、もう一度考える助けになるはずだ。