第 2 章(II)深夜の依頼The Adventure of the Engineer's Thumb

朝食のあと、ハザリー氏は前日の夕方から語り始める。仕事の少ない若い技師の事務所へ、異様に痩せた男が現れた。男が提示したのは、高額な報酬と絶対の秘密を条件とする一夜の依頼である。不審に思いながらも引き受けた青年は、最終列車で小さな駅へ向かう。

解説の目次

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  1. 10若い技師 A Young Engineerハザリー氏は、ロンドンで一人暮らしをする独身の水力技師だと自己紹介する。七年の修業を経て独立したものの、開業後の二年間は注文がほとんどなく、事務所を維持するだけで精いっぱいだった。彼は昨夜までの静かな日々から語り始める。解説を読む ›
  2. 11痩せた来客 The Thin Visitor前日の夕方、事務所を閉めようとしたハザリー氏に、書記が来客を告げる。入ってきたのは、異様に痩せた中年の男だった。男はスターク大佐と名乗り、技師の腕前だけでなく、独身で身寄りが少ないことまで知っている様子で話を切り出す。解説を読む ›
  3. 12秘密の約束 A Pledge of Secrecyスターク大佐は、依頼には絶対の秘密が必要だと強調する。ハザリー氏は仕事の内容を尋ねるが、男は話の前に、口頭でも書面でも一切触れないと約束させようとする。技師が承諾すると、大佐は疑い深い目で念を押し続ける。解説を読む ›
  4. 13閉ざした扉 Behind the Closed Door約束を得たスターク大佐は、突然立ち上がって廊下の扉を開け、誰も聞いていないか確かめる。戻ると椅子を近づけ、さらに小声になる。その不審な振る舞いにハザリー氏は反感と恐れを覚えるが、仕事を失う不安から、まず用件を話すよう求める。解説を読む ›
  5. 14一夜の仕事 A Night's Workスターク大佐が示したのは、一晩の短い仕事に五十ギニーという破格の報酬だった。故障した水圧式の打ち抜き機を調べ、原因を助言してほしいという。仕事は一時間ほどで済むらしい。ただし、技師はその夜の最終列車で指定の土地へ来なければならない。解説を読む ›
  6. 15夜汽車の条件 The Last Train行き先はバークシャーの小駅アイフォードで、レディングからも近いという。大佐は駅まで馬車で迎えに来るが、屋敷まではさらに七マイルあると説明する。深夜の到着になり、帰りの列車もない。ハザリー氏は不便さを訴え、別の時刻を提案する。解説を読む ›
  7. 16高額な報酬 The High Fee大佐は、遅い時刻に来てもらう不便を見越して高額を払うのだと答える。経験の浅い若い技師を選んだ理由にも触れ、条件を受け入れるよう迫る。金を必要としていたハザリー氏は依頼を引き受けるが、秘密を求める事情だけは説明してほしいと頼む。解説を読む ›
  8. 17土地の話 The Hidden Depositスターク大佐は、レディング近郊の小さな土地を買い、そこで価値ある鉱物を見つけたのだと語る。しかし採掘に必要な資金が足りず、周囲の土地を安く買うまでは発見を隠したいらしい。長い説明は、なぜ秘密が必要なのかを納得させるために続く。解説を読む ›
  9. 18機械の説明 The Machine Explainedハザリー氏は、水圧機が鉱物の採掘にどう役立つのかだけが腑に落ちない。大佐は独自の方法で土を固めて運ぶのだと答え、細部は現地で話すという。依頼の時刻と秘密をもう一度確かめると、冷たい手で握手し、足早に事務所を去っていく。解説を読む ›
  10. 19夜の出発 The Journey Begins来客が去ったあと、ハザリー氏は依頼の奇妙さを考え直す。だが高額な報酬と、技師として仕事を得たい思いが勝る。彼は秘密を守り、夜の列車で出発する。レディングで駅を移り、やがて人影のないアイフォード駅へ着くと、大佐が待っていた。解説を読む ›
  11. 20馬車の馬 Questions About the Horseハザリー氏の話を聞いていたホームズは、駅で待っていた馬について質問を挟む。一頭立てだったか、毛色は何色か、疲れて見えたか。青年は側灯で見た栗毛の馬が元気で艶やかだったと答える。確認を終えたホームズは、続きを話すよう静かに促す。解説を読む ›